7/5 夏祭りデート【ブランチ】
「空といる時はさ、カメラのレンズ越しじゃなくてちゃんと見てたい。でもさ。その表情を残したいとかも思うんだよ」
言い訳説明をしつつ、手を引いて歩く河川敷。
「カメラ持ってたら手も繋ぎにくいし、抱きしめたりしにくいし、不意打ちキスはばれやすそうだしさ」
ねっ? っと同意を求めて振り返れば、頬を染めてる空。
「ぁぅうう」
衝動に負けて、鼻先に掠めるようなキス。
「隙有り♪」
天気は良好。驚く眦にキスをふらせる。
あれ?
ちょっと疑問。
「UV対策の妨害してたり?」
ソバカス空も可愛いと言い切る自信はある。でも、女の子には重要な問題だから軽々しく言うんじゃないという忠告は聞いている。
橋の下。時折過ぎる電車の通過音。
「海ねぇ、最近どう? 陸ねぇも忙しそうだし〜」
渚ちゃんは学校でちょこちょこ会うし、主に図書室で。
汐ちゃんは芹香や鈴音ちゃんが話題に上げる。
「あいかわらずかな」
困ったようなそれでも愛情溢れる言葉。
「そっかぁ」
空を見て、空のそばにいられるコトが幸せ時間。
ごそりと荷物を探る。
引っ張り出すのはいい匂いをさせてる物体。
映画じゃなくて散歩にしようと決めた時点で、あるんじゃないかと思ったんだ。
「浴衣に匂いうつる前に食べよう♪」
夏祭りでいろいろ食べるだろうし。朝は軽く摘まんだだけだしな。
目の前を流れる川は俺らの浜につながり、海に流れ込む。
海の音の方が好きだけど、川を流れる水の音は好きだ。全部消えていきそうで。
「空の愛情頂きます」
いただきますして、チラッと空をうかがう。
ゆっくり開けて、行動を不思議そうに見ていた空に軽く差し出して尋ねる。
「空のオススメはドレ?」
電車の通過音。
「聞こえない。ね。食べさせて」
この時間少し多い気がしてたんだ。
ちょっと、うん。すっごくわがまま言ってみる。もちろん、聞こえないコトにしてもいいんだよ?
甘え過ぎって、怒ってくれても、いいんだよ?
どっちに転んでも俺、嬉しいからさ。
夏祭りデートは青空空ちゃん借りっぱなしになっております
話題で姉妹のお名前借りてます




