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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014夏
546/823

7/5 夏祭り 早朝

「今日は夏祭りだわ!」

「おまつりー」

「おっきろー」

「わぅん」

 芹香、ミア、ノアの声と共にタオルケットの上に重みがかかる。

「……今、何時だよ」

 ゼリーがもこりとタオルケットに潜り込んでくる。

 手を伸ばして確認したスマホに表示された時間は五時。

 いや、料理の準備をガッツリやってたころは起きてたけどさぁ。

「あと三十分。寝かせて」

「わたあめやさんのお手伝いするの!」

 上からぼふぼふ攻撃される。

 小学生の女の子の体重で攻撃力だ。

「さっさと諦めて起きるといいんだわ!」

 芹香おまえは手伝い回避してたんじゃなかったっけ?

「朝ごはん準備くらい芹香がすればいいだろう?」

 パンの準備とか、ジュースやミルクの準備とか。隆維涼維を起こすとか。

「私はバート兄をちょっとガイドするから暇じゃないのー」

 あがくこと五分。

 完全に目が冴えた。

「鎮は~」

「朝の配達系バイトだと思う。もぬけの殻~。あ、朝の海でも写真撮りに行ってるのかな?」

 最近増えた鎮の行動パターンに芹香が首を傾げる。

 屋台のバイト、カウントされてないけれど、あいつらも来るだろうから澄兄達に巻き込まれんじゃねぇのかなぁ。

「おきた~」

「おはよー。ちーあに」

「はいはい。おはよう。ミア、ノア」

「わう」

「おはよ。ゼリー」

 諦めて体を起こす。

「ほら起きるから、身支度あるし、飲み物の準備できるだろ?」

 ちびっ子どもがようやくベッドから降りる。

 ゼリーはタオルケットの中で、「え? 出るの?」といわんばかりの表情で首を傾げて見つめてくる。

「うわぁあ。一緒にいてぇ」

 ぎゅっと抱きしめるとべろんと舐められる。


 カシマシイ三人娘がちょっと怖い表情で俺の方を見る。


「ちゃんと起きるのー」


 ずれる事のない三人の言葉は起きる事を仕方ないかなという気分にさせる。

 それにゼリーも散歩に行きたいだろうしな。そんなことを考えながらゼリーと降りる。

 ばさりと布団をあげてさっさと着替える。

「フレーク系? パン? ごはん?」

 ちびっ子どもが顔を見合わせる。

「ワッフルー」

 にこにこと声がひとつ。

 んー。ワッフルメーカー引っ張り出して、具材は何がいいかな。

 バターとかジャムだけじゃダメだし、野菜系、サラダと、ベーコン、卵かな? 温めてる間に種を混ぜて、と考えていく。

「おはよー」

 キッチンでドリンク準備中なのはミラちゃん。尋ねるように首を傾げる。

「おはよ。ワッフルメーカーに熱入れといてくれる?」

「はーい♪」

 ミラちゃんが機嫌よく返事する。

 それを聞いて手と顔を洗いにいく。

 ミラちゃんに任せておけばワッフル生地は問題ないっと。


「ミラもお祭り楽しみー♪」

「たのしーよぉ」

「みあ、のあ、熱いんだから近づいちゃダメなんだからね!」

 女の子が揃うとカシマシイ。

 騒がしさがヒートアップしていく。

 有坂妹とみどりちゃんも現れる。

 朝ごはんの準備をすると二人が寄ってきた。居候なのを気にしているらしい。




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