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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014夏
545/823

7/4 ほーかごデート

 えーっと、朝待ち合わせて、ビーチや川そばをブラっと散歩か、朝一映画にでも行こうか悩む。

 よし。朝一映画でお茶してから夏祭り!

 今日迎えにいった時に細かいとこは詰めればイイよな。

 夏祭り行くんなら休憩と着替えとかのポイントに使ってとそういっちゃんには言われてるしな。

 そういっちゃんのマンションはうろ高に近い。つまり公園にも近い。基本エアコンで部屋涼しいし。

 普段仕様のデート服に浴衣?

 両方見れるのはイイかもしれない。


 曲面センサーのレンズをもつカメラ。面白いのがでるんだなーと思って情報を見る。

 涼維から譲られたカメラの仕様を見たりレンズの機能差を調べていくのは面白い。ただ撮れればいいという考えらしい涼維からは興味なさげに「ふーん」とだけ返ってきて寂しい。

 サイトを見ているとレンズによってかなり違うのがわかる。

 同時に、……高い。

 うちの隅に転がっていたあんまり使用されてない古い水中カメラ。物々しいそれはハウジングといわれるケースだけ。がっかりした。

 カメラを趣味にしてたライフセーバーの人の置き土産。

 ネットの海に潜ればいろんな情報が手に入る。

 アップされてる水中写真はとても魅せられる。無理かな。とも思うけど、撮ってみたいとも思ってしまう。

 受験用に学習量を切り替えつつサイトを渡る。


 最近、千秋が話したそうにしてるのは知ってるけど、今は、まだ聞きたくない気がする。

 だって千秋自身まとまってない気がする。ワガママでいいんだけど、少し気が重い。

 千秋に空を取られるなんて思ってない。

 ホントは俺が空にふさわしいとも思ってないけど。でもさ。千秋とマトモに話せば、それを再認識させられそうで怖い。


「あっつ」


 見上げればまばらに散る雲。アスファルトの道路は熱を反射して夏を感じさせる。

 中学から聞こえてくる賑やかな声。

 チラ見で覚えのあるのがいるか、隆維涼維がいるか探る。

 まぁ下手に見つければ体調の心配をしちゃいそうなんだけどさ。

「あ」

 かち合ったのはマナ。

 何となく一歩下がる。

 気まずげな彼女は少し顔色が悪く見えた。

「ミツルかエルザ、呼ぶ?」

 調子が悪いならと尋ねる。

「平気」

「熱や吐気が出たりしてない? 暑いから水分とかしっかり補給しなきゃだけど、ちゃんと相談してる?」

 エルザたちに。

 ぎこちなく、頷く姿に首を傾げる。

 なにか、萎縮してる?

 軽く撫でる。

「一応さ、エルザにメールしとくからさ。ムリしちゃダメだよ?」

 ひらりと手を振って別れる。

 マナのデータってどんなのだっけと思う。発病の危険性はあるけど抑えられてるはずで。

 いろいろとデータは見れるはずだよなと思いつつも、商店街が近づけばそんな意識は追いやられる。ポーチのカメラを引っ張り出す。

 今日の空を切り撮る。

 それとも記憶のフィルムに焼き付ける。


 今日はどっちになるんだろう。


 空に会えると思えば、たぶん、にやついてるんじゃないかと思う。

 空との時間が愛しいんだ。


 ああっ。

 やっぱり二人で川べりを歩くのも捨て難いっ!

 ひと気の多くは夏祭り気味だろうし、ちょっと水遊びしても空があんまり恥ずかしくねぇかも?

 暑いから最近、薄着だし、不特定多数に見られてんのちょっとやだし。

 でも、モールなら涼しいし。うっわー。めっちゃくちゃ悩む!


『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

より青空空さんを


お借りしております

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