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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014夏
542/823

6/30 誕生日と料理部

 なぜか、軽く人目を気にしてから、壁を越える鎮。センセ達に見つかったら間違いなく怒られる行動。

 大人しく校門を出て少し行ったところで見たのは、キスシーン。

 場所はわきまえろ……。

 はわわと羞恥で慌てふためく空ねぇ。

 にがしません。離しません。とばかりにハグしてる鎮。

 空ねぇは俺のタイプじゃないから、盗らねーよ。

「鎮、鞄持って帰っておいてやるよ」

「あ、マジ?」

「ほら」

 手を差し出せば、押し付けられる荷物。邪魔そうにしてるなと思ったんだよ。

「財布、鞄の中とか言わないよな?」

 中身ないんなら提供する? という意味も込めて振る。

「大丈夫。こっちに持ってる」

 ぶらんと揺れるベルトポーチ。カメラを入れている黒いポーチだ。アクセントにクロスのピアスと月のタイピンが飾られている。ベルトに引っ掛けて手はフリー。どれだけ抱きしめたいんだよ。


「じゃ。邪魔しないよ」

「あ」

 軽く手を上げて帰るね。としたら、引き止めるような空ねぇの声。

 同意じゃなくて、鎮に不本意に襲われたの? じゃあ、撲っとくよ?

「千秋君、お誕生日おめでとう」

 え?

 あ、六月三十日って、あぁ、そー言うことか。

 俺達が生まれた日だ。一つ年齢を重ねる日だ。日々の変化ない積み重ねの日の一つだ。

「ありがと。空ねぇ。じゃ、デート楽しんでね」


 ぽっと頬を染めて頷く姿は客観的に見てかわいい。

「じゃあ。先に食べてるし、チビどもには言っとくよ」

 笑顔と共に距離をとる。

「んー。頼むわ」

 そう言って別れる。


「ウチで勉強会だー」

 さて、帰るかと思ったらグイッと服を引っ張られる。麻衣子ちゃんだ。後ろで愛子ちゃんと菊花ちゃん料理部メンバーが笑ってる。

 ナニその話聞いてないんだけど?

 バイトは、試験前後は休みって言われてる。


「くぅ。鎮ったらこれで大人の階段をっ!?」

 麻衣子ちゃん……。

 どういう意図で言ってるんだよ?

 俺の胡乱な眼差しに気がついたのか照れ笑い。

「えー。愛情(スキンシップ)過多な鎮を喜ばせる誕生日プレゼント。いい機会じゃん。それとも、もうそんな扉はもうとっくに開いてるとか? やーん」

 真っ赤になって身体ごと首を振る麻衣子ちゃん。いや、おもしろい、けどね。

 ま、本当のとこはどうなんだろうな?

 朝帰りしてたこともあるけど、空ねぇといたかどうかまでははわからないしなぁ。

「今日、お誕生日だったんだね。おめでとう」

 愛子ちゃんがにこりと笑う。

「ありがとう」

「プレゼントはないわよっ!」

 慌てたように麻衣子ちゃんが宣言。

 期待してねぇよ。

「後で盗難防止ネットでもプレゼントしてあげるわ」

 菊花ちゃんが言う。

 それって、自転車屋の試供品だったりしねぇ?

『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

より青空空ちゃんをお借りしております

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