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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014夏
538/823

飛鳥と千秋

「わけわかんねぇ」

 そう言って少し凹んでるっぽいちーちゃんを見ながらお茶を口にする。

 要領をイマイチ理解し難い説明に対する感想は、

「はぐらかされたわけね」

「なっ!」

 反抗的だったので、声を落とせと促す。

「つまりさ、対話拒否されたんでしょ?」

 対話拒否された事実をどーも認識してなかったらしいちーちゃんはイラついた表情。

 ちーちゃんは反抗的になにを言っていても、しーちゃんの発言をそのまま受け入れる。バカにはしても疑わない。

 ちょっと歪んだ依存の形。

 だから、本当はしーちゃんがちーちゃんを傷つけたければ簡単なんだと思う。

 ちーちゃんはしーちゃんのコトを下に見てるけれど、『裏切らない相手』としては『絶対の信頼』を寄せている。だから、しーちゃんが他に優しくするのが嫌でしーちゃんを突き放すというどこのいじめっ子だと思うけど、ちーちゃん基本、いじめっ子気質だよね。

 けして自分を拒絶するはずのない相手から拒絶されて、現在混乱中。弱味晒してる自覚もなさそう。

 どんだけ依存してて、好きなんだと思う。

「鎮が対話拒否?」

 するわけないって反応をされた。

 でも、対話拒否して、観察されてたんだと思うよ?

 しーちゃんはよく観てるから。

 どんな解釈をするのかはよくわからないけど、しーちゃんはよく観てる。

「ちーちゃんもさぁ、好きなひといたわけなんやしー、しーちゃんに好きな相手。しかも、問題の低い優良物件!! ここ大事。もう少し、寛大になってあげなよー」

 どっちかってーと難有り物件なのちーちゃん、しーちゃん達の方なんだからさぁ。

「別に、反対してるわけじゃないよ」

 なんか言ってる。

「おにーちゃんとられんのヤなクセに。突き放してばっかだから、伝わって無いのは自業自得だよ?」

 きょうだい。よその人にとられんのってなんかヤダよね。相手のあら探ししたくなる。

「そんな、……つもりないよ……。伝え、る?」

 あ。くいついた。

「たまには『好き』って抱きつくとかスキンシップ?」

 少し考え込むような沈黙。悩む余地はあったかな?

「できるわけないだろ!!」

 真っ赤になって叫ばれても困るって。

「騒がないの〜」

 ちーちゃんが視線を落として、びブツブツ何か呟いている。


 でもさ、しーちゃんスキンシップ大好きだよ?

 軽くでも、喜ぶと思うなぁ。

 囁けば、じとりと睨んでくる。


「鎮のクセにナマイキだ」


 ちーちゃんがぼやいてる。

 さてはて、どう行動するんだろうなぁ。

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