6/16 ぐだり
パタンと寝返り。
「だいじょーぶだと思ったんだよー」
「んー? 微熱だねぇ」
ぽんぽんと頭を軽く撫でられる。
「少し休んだら下がると思うー」
「ウチで休めないのか?」
ごろりとうだつく。
「ちょっと、にーちゃんたちの空気微妙だし、涼維がちょっと反抗期っぽいしー」
小さな笑いが聞こえる。
「お前たちは双子だろう?」
それはそうなんだけどさー。
「でもさぁ。そーゆー役割配分ってあると思うんだー」
保健室でごろり。授業中、急に気分が悪くなって机に突っ伏した。今日は調子イイって思ってたんだけどな。
「反抗期、悪いとは思わないんだけどさー。そーゆーのってふつー依存薄くなるかと思ってたんだけどなー」
俺に反発するかと思ってたんだけど、いや、あれはアレで反発してるのかなー。
「完全に拒否されるときついけどなー」
たぶん、泣く。
うとうとと睡魔。あー。体力落ちたなー。
家の中をうまく回そうと思うと意外と神経を使う。
大人は、協力する気がない。
さーやちゃんは手を出してくれてるけど、妹たちだけで手いっぱい。とーさんとあーやおばさんは俺が信用できなかったり、ノータッチ決め込んでるのがわかったり。
バートままは個人には対応するけど、全体的な和には興味をもたない。うーん、手に負えない?
ついでに言えば鎮兄は全体を何とかするより、自分の心のありようを探れって感じだし、千秋兄はちょっと自分を省みろって感じ。
つまり自分たちのコトをまずなんとかすべきに思える。
あ。悪夢みそう。
芹香も、もう少し、まわりを頼ればいいのにな。
俺もはたからみればそう見えるのかなぁ?
「お。起きたか?」
「長船……?」
「だいじょーぶ?」
「保健室では静かにしろ。中島」
千歳もいた。
「わかってるもん」
はいはいと千歳をなだめて俺のひたいを無造作にさわる。
「熱引いたみたいだなー。カバン持ってきてやったから。と、もう時期涼維も来るから」
と告げられて、思ったより寝てたコトに気がつく。
「雨、降ってるから、体調不良にプラスして風邪までひくなよー。テスト近いんだしさ」
明日ノート写させてやるからとか言われて俺はありがたく頷く。
そっかーテスト近い時期か〜。
ふっと鼻につく匂い。湿布?
「階段に気がつかずに滑っちゃった」
えへへっと笑う千歳。「ちょうどそばにいたからな」と長船がぼやく。
気が付けよ。階段には。っぶねぇな。
『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』
http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/
より保健の高橋先生ちらりお借りしました




