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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014夏
530/823

6/16 ぐだり

 パタンと寝返り。

「だいじょーぶだと思ったんだよー」

「んー? 微熱だねぇ」

 ぽんぽんと頭を軽く撫でられる。

「少し休んだら下がると思うー」

「ウチで休めないのか?」

 ごろりとうだつく。

「ちょっと、にーちゃんたちの空気微妙だし、涼維がちょっと反抗期っぽいしー」

 小さな笑いが聞こえる。

「お前たちは双子だろう?」

 それはそうなんだけどさー。

「でもさぁ。そーゆー役割配分ってあると思うんだー」

 保健室でごろり。授業中、急に気分が悪くなって机に突っ伏した。今日は調子イイって思ってたんだけどな。

「反抗期、悪いとは思わないんだけどさー。そーゆーのってふつー依存薄くなるかと思ってたんだけどなー」

 俺に反発するかと思ってたんだけど、いや、あれはアレで反発してるのかなー。

「完全に拒否されるときついけどなー」

 たぶん、泣く。

 うとうとと睡魔。あー。体力落ちたなー。

 家の中をうまく回そうと思うと意外と神経を使う。

 大人は、協力する気がない。

 さーやちゃんは手を出してくれてるけど、妹たちだけで手いっぱい。とーさんとあーやおばさんは俺が信用できなかったり、ノータッチ決め込んでるのがわかったり。

 バートままは個人には対応するけど、全体的な和には興味をもたない。うーん、手に負えない?

 ついでに言えば鎮兄は全体を何とかするより、自分の心のありようを探れって感じだし、千秋兄はちょっと自分を省みろって感じ。

 つまり自分たちのコトをまずなんとかすべきに思える。

 あ。悪夢みそう。

 芹香も、もう少し、まわりを頼ればいいのにな。

 俺もはたからみればそう見えるのかなぁ?



「お。起きたか?」

「長船……?」

「だいじょーぶ?」

「保健室では静かにしろ。中島」

 千歳もいた。

「わかってるもん」

 はいはいと千歳をなだめて俺のひたいを無造作にさわる。

「熱引いたみたいだなー。カバン持ってきてやったから。と、もう時期涼維も来るから」

 と告げられて、思ったより寝てたコトに気がつく。

「雨、降ってるから、体調不良にプラスして風邪までひくなよー。テスト近いんだしさ」

 明日ノート写させてやるからとか言われて俺はありがたく頷く。

 そっかーテスト近い時期か〜。


 ふっと鼻につく匂い。湿布?


「階段に気がつかずに滑っちゃった」

 えへへっと笑う千歳。「ちょうどそばにいたからな」と長船がぼやく。

 気が付けよ。階段には。っぶねぇな。




『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』

http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/

より保健の高橋先生ちらりお借りしました


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