表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014春
516/823

5/30 ありあと芹香

「ねぇ、アリア」

 呼びかければニコニコと私を見る。

「あの子、生きてたんじゃないの?」

「苦しそう、だったの。でも、もう痛くないの」

「ダメよ」

「なにが?」とばかりに不思議そうなアリア。


「生きるコトに頑張ってるの。あの子は生きるコトが幸せだったの」

「だって、辛そうだったの」

「それでも、あの子は生きたかったの」

「アリア。悪いコトしたの?」

「そうよ。生きる道を閉ざすのはダメ。他の誰かが決めちゃダメ」

「アリア、苦しそうなのみてるのイヤだよ?」

「助けてあげればいいんだよ」

「うん。だから、助けてあげたの! もうね、苦しくないの!」

「ダメよ。生きる助けをしなきゃダメ」

 不思議そうに首を傾げられる。

「痛くて、苦しくても?」

「そうよ」

「かわいそうだよ?」

 会話が噛み合わない。

「……でも、千秋兄はあの子が生きてるコトを望んでたの」

 使いたくない言葉。

「チアキが望んでいたの?」

 反応が変わる。

 本当はそれじゃいけない。これじゃダメ。でも、それ以上に繰り返させちゃダメだ。


「ごめんなさいしたら許してくれるかなぁ。楽にね、してあげたかったの。苦しく、ないように」


 どうしたら『生きる』コトが『大事』だと伝えられるんだろう。

 それを教わるコトなく育ったアリア。

 アリアには世界はどう見えているんだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ