表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014春
506/823

好きだよ

5/25話 帰り道

 空のことが好き。

 空が好きって言ってくれるからじゃなくてさ、

 空だから好きなのかなって思う。

 だから好きって言われると嬉しい。

 だけど、

 なんだろう。

 わかんねーんだよ。

 えっと、

 ごめんな。

 ひどいコト言ってる気がする。

 えっと、うまくまとまんねぇよな。

 好きだし好きは嬉しい。

 キスしたいし抱きしめたいしもっと空を知りたい。

 好きは重なっていくんだ。

 だけどさ、

 そう、なんだけどさ、

 わかんねーんだ。



 俺が好きになってもらえるのがさ、


 わかんねーんだ。



 俺は、俺が大事と思えない。

 こうやって空を傷つける自分が嫌になる。

 だってさ、

 空のことを信じられないって傷つけて傷ついた空が見れるのも嬉しいんだ。

 だから本当は何も大事になんかできないのかもしれない。

 空を傷つけたくないのに傷つけたいんだ。

 空が好きだよ。

 空は俺のだから。

 大切で愛おしい。

 だから、ホントは側にいちゃいけないんだ。

 空を傷つけたいと思う俺が一番側にいちゃいけないんだ。







 ホントはさ、わかってるんだ。

 俺は誰かに愛されたりする価値はないんだ。

 そう振舞って見せてもどこかニセモノなんだ。

 ほんものもニセモノもわからない。

 でもほんものにはなれないんだ。


 空が好き。

 空の好きは嬉しい。

 俺がいいって言ってくれるのが愛しい。

 空の笑顔が好きだ。

 照れて拗ねてる姿が好きだ。

 潤んだ目での上目遣いはずるいと思う。


 それなのに、

 好きなのに、

 空が俺を好きなのが信じてるのに信じられねーんだ。






「口にするべきじゃないよな。知らないほうが、よかったよな?」

 優しい気持ちが優しい空気が同時に痛かった。

 空を送りながらどうして口にしてしまったのかと後悔する。

 それもこんな日に。


 街灯の灯りの下、見上げてくる空の目が潤んでいて自己嫌悪が迫ってくる。


 口にしてしまったのはたぶん、甘えてるんだと思う。

 それと、たぶん、空を傷つけたかったんだと思う。

 傷つけて、俺のことを忘れないでいられるように。

 空は優しいから、俺はそれに甘えてる。


 もしかして言葉だけじゃなく傷つけたいと思うようになるんだろうか?

 久しぶりの晴れの夜。

 月は笑うように見下ろしている。


 暖かさを感じて見下ろす。

 名前を呼んで抱きしめてくれている空がいて。

 



 ああ。




 そんなに甘やかされたら引きどころがわからなくなるんだ。

 泣かないで。

 その泣く姿すら見ていたいと思うんだから。


 俺が泣かせたと思えば嬉しいんだから。

『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

より青空空ちゃん、お借りしました。


プチタイトル詐欺?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ