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おもちゃ屋のあくま:うろな高校料理部番外編

村瀬愛子創作料理は苦手です

麻衣子ちゃんがとうとうキレタ。

紬さんはちょっと引いてる。

配合ミスなのか美味しくない出来のジュースが続いたせいだ。

ボトルにいれたそのドリンクを持って「いってくるわ」そう、麻衣子ちゃんは立ち上がった。

私は紬さんと視線を交わし、無言で話をつけた。

私:見てくるので片付けよろしく

紬さん:オッケー


そのぐらいいつものことである。

ちなみに私の手には成功品の入ったボトル。


つまり、直澄さんは失敗作を一度も口にしていない。


ホビー高原にはカードゲームに興じる子供達がちらほらいる。

最近は天狗仮面が率先して公園遊びを推奨しているせいだ。

あと、不審者の始末をかなり天狗仮面がしているので、地域安全が確保されていて親が安心して遊びに出せるというところもあるようだ。

よそから来ると一番の不審者って天狗じゃないの?と、思わなくもないけど。


「こんにちは」

カードを眺めていたお姉さんがにこりと声をかけてくれた。

「おもちゃやはぁああ?」

壊れている麻衣子ちゃんにもお姉さんは動じない。


「直澄さんならもうすぐ戻られますよ。取り寄せ商品を奥に取りに行っているだけですから」

「そうなんですかー。ほら、麻衣子ちゃん、落ち着いて」

落ち着かせついでにボトルをすり替える。


「堂島さん、注文の新デッキ対応スタータパックとブースターパック2箱。おまたせ」

「ありがとうございます。(ちかい)さん、出さんお手伝いしてもらえますか?」

ふらりと寄ってきたのは岡本栞の妹の誓ちゃん。確か小6。

もう一人は最近チラチラ見かけるけれど知らない男の子。誓ちゃんよりは小さい子みたい。

「指切りそーだもんねー。まかせてー」


「うん。いいカード入ってるとイイね」

誓ちゃんと出くんで開封競争が始まった。

「あれ? 新しいジュース?」

「そう。麻衣子、直澄にいちゃんに試飲して欲しくって持ってきちゃった」

向かい合う二人は笑顔だ。



なぜ失敗ジュースを堂島さんが口にすることになったのか今でもわからない。

平気で飲む姿は驚愕だった。


「ハチミツとミルクでもう少し飲みやすくした方がいいかもですね」

ニコニコと堂島さんは言葉を続けた。

「ロシアンルーレットでしたか、美味しいものの中に一つだけハズレが入っているセットとかができそうですね」

ニコリと笑って「飲めることは飲めますし」とおっしゃいました。


色とりどりの種類があると伝えると「涼しくゼリーとかもいいですね」と提案頂きました。


ヤッパリロシアンルーレットですよね!



面白い提案をもらったので、麻衣子ちゃんを連れて私は実験所に戻り、紬さんと新ネタについての会議に入りました。



高原直澄さん、借りてます。


柊子の言葉ではじめて失敗作の存在を知る。しかし味見はできていない

失敗作はどれほどまずいのか?!

それは闇の中

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