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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014春
484/823

るぅるぅ墜落紀行☆作為編 【るぅるぅと青空家】

5/7~5/10あたりの小話

 


 早朝、どこかへ出かけようとしている渚に声をかける。

「渚〜どこ行くのだぁ?」

「海」

 答えは簡単に返ってくる。るぅるぅは泳ぐのが好きである。

 なら言葉は一つなのだ!

「るぅるぅも一緒行くのだ!」

「……」

 胡乱な眼差しでるぅるぅを見つめる渚。

「その目は何なのだ?」

「泳げるの?」

「任せておくのだ♪」


 深い海を泳ぎ、エモノを狩る。

「渚〜。見るのだぁあ」


「るぅるぅ?」


 るぅるぅの呼びかけにこっちを見た渚の動きが止まる。



「るぅるぅが捕まえた軟体生物なのだぁあ♪」

 るぅるぅに絡みつく軟体生物。その名はタコ。

「……」


「美味しそうなのだ♪ 早くアミに料理してもらうか、丸焼きなのだ♪」


 渚はじっとるぅるぅを不安げに見つめているのだ。なんで?


 浜に上がってエモノをアミに引き渡す。

「るぅるぅを餌に大蛸釣りかぁ♪」

「るぅるぅが捕獲したのだ!」

 アミがヒドイのだ!

「……どう見てもるぅるぅが捕獲されてた」

 渚がぽつっと呟くとアミはだろぅなとばかりに笑いながら頷く。

 二人とも、


「ひどいのだ!!」


 るぅるぅが捕獲したのだぁああ!

 るぅるぅは捕獲されてないのだぁああ!!


 ◇



「るぅ」

「ちゃんとごはん出してるでしょう? 野鳥は食べようとしちゃいけません!」

 むつみがるぅるぅを座らせて注意してくるのだ。

 いつもご飯をもらってるから少しは自分で狩りしてみようと思ったのだ。

 それなのにたぶん、怒られてるのだ。

「アミ〜陸が怒るのだぁ。るぅるぅ狩りをしようとしただけなのだぁ」

 そこにいるアミにちょっと話を振ってもアミは笑って取り合わないのだ。

「それと、自動販売機のお釣りはちゃんと確認しなきゃダメよ?」

 そうこうするうちに注意内容が変わる。

 ちらり見たアミが悪戯っ子のにやにや表情で何かを見ている。

「陸〜。アミがなんか企んでそうな笑い方なのだー」



「るぅるぅ、聞いてるのかしら?」



 ぴりっと冷気の篭った声だったのだ!


「るっ!? き、聞いてるのだ。お釣りってなんなのだ?」

 は、話は聞いていたのだ!

「そこから!?」



「飼われてない亀や犬は狩っていいかぁ?」

「ダメです!」

「るぅるぅ、狩りは許可制なんだぞぉ。だからダメだ」

「るぅ。ルールなら仕方ないのだ」


 るぅるぅ、ルールは基本的には守りたいのだ。



 ◇


「空〜。渚と汐がいないのだー?」

「学校だよー」

「空も出かけるのか?」

「うん、バイトにね」

「るぅるぅも一緒行くのだ」

「え?」

「カッパのトコに遊びに行くのだ~♪ で、換金処にも行くのだ~」

「換金処?」

「無限回廊なのだ♪」

「え?」

 首を傾げる空のバイト先が無限回廊だったのだ。



 ◆



「るぅるぅもお酒呑みたいのだ」

「お子様はダメー」

「るぅるぅは五十年は生きてるのだー」

 ・

 ・

 ・

「なんで鼻で笑うのだーーー」



 ◇



「おっふっろ。おっ風呂♪」

 るぅるぅはお風呂好きなのだ。

「……」

「るぅるぅは、男の子だから女の子とお風呂には入らないのだ」

 ・・・

 無言で手を動かしてにやついてるアミとそっと手招きする渚。

「わきわきしてもだめなのだ。……るぅるぅはるぅるぅはじーさんとはいるのだぁああああ」





 ちゃぽーん




「るぅ。なりゆき、なのだ」


 通りすがったじーさんが『じゃあ』と言ってるぅるぅ抱き上げ、現在に至るのだ。

 もらった歯ブラシで自分の体を洗うのだ~♪



「るぅるぅは、ケンカ中なのだ。何か言ってくるまで帰ってやらないのだ」











 あいつら、なにも、言ってこないのだ……。




『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

青空家(るぅるぅが居座ってます


『うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話』

http://book1.adouzi.eu.org/n2532br/

魚沼氏話題にお借りいたしました。

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