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7/7による6/24の回想話

「昨日は楽しかったー」

「いきなりダンスはちょっと焦ったよねー」

「ふ。散財したぜ。梨沙さんトコでバイト入れてもらわないとなー」

「鍋島さんの浴衣かわいかったなぁ」

「千秋、そういうのはちゃんと声かけたり、一緒に花火してから言えよ」

「そういえば、小梅先生と一緒にいた女の人。きれいだったよね」

「透き通るって感じのねぇちゃんだったよな」

子供たちが昨日の話で盛り上がっている。

透き通るような白い少女。



「あの子なら前に食べに来てたよ。賀川君と一緒に」

たしか、先月最後の月曜日だったか。

ふわりとしたワンピース。シンプルなサンダル。白い肌に白い髪。

柔らかな印象の赤い瞳。

白い肌から病的な印象は感じなかった。


まぁ


「あの子は『きれいな』子だったねぇ」


「えー。いつ?」

涼維が好奇心むき出しで聞いてくる。

「六月最後の月曜日の昼間」

「篭ってた日じゃないの?」

千秋が首をかしげる。

「新しいものを作るという衝動は何にむくかは色々さ」


「父さん、よくわかんねーよ」


「まぁ、料理も作ってたんだよ。パウンドケーキ5種とカッププリン5種。桃とマスカットのタルトくらいだけどね」

なぜか子供たちが聞くモードだ。

「月曜の昼間はね、基本、老人会モードだからね、朝一のお茶菓子があれば好きなものを作っていて問題がないんだよ。何せ、ちょこっとずつ食べる目新しい物が好きだって言うご老人方が多いからね」

子供たちが納得のしるしに頷く。

「新作って帰ってくるまで残ってないよね。そのタルト食べてみたかったな」

「フルーツタルト作ってね」

「はいはい」





「あれ? 賀川君、こっちにくるのは珍しいね。こんにちは。いらっしゃい。入場料はお一人様500円だよ」

なんだか賀川君はここに僕がいることを想定していなかったぽい。

まぁ普段は、未来の病院で会うからねぇ。

「こんにちは、日生さん。ここ、食事とお茶が出来るんですよね?」

不安そうに確認してくる。

背後のかわいい女の子が少し不満そうな表情を浮かべた気がする。

「もちろん。できるよ。今、出来立てを並べたところだよ。パウンドケーキとプリン、あと、タルトがさっき並べたメニューかな」

甘菓子を提示したら少女の表情が明るくなった。

「こちらへどうぞ」

賀川君にそっと手を差し出すと紙幣が一枚乗せられる。

「はい。ごゆっくり」

水槽が醸し出す青い空間を案内する。

レストランスペースは海を眺めれるようにガラス張りだ。

中二階部分には座敷ぽくなっている場所もあり、そこで囲碁や将棋さいころ勝負が繰り広げられている。

ガラスそばに望遠鏡があったり、イーゼルがあったりするのは使えるアクセサリーな感じ。


「お菓子と、軽食がメインだけど好きに食べてくださいね。ドリンクはあちら、軽食系はあちらスイーツ系はあっちに。使用後のお皿はあそこにおいて置いてくれればいいですよ」

少女の視線はスイーツに釘付けになっている。


「おいしそうです」


少女がそう言う。

嬉しくなってにっこりしてしまう。

「実際に食べても同じ感想がもらえると嬉しいな」

賀川君は老人会の常連にかわいい女の子を連れていることをからかわれている。



ちなみに老人会といっているが、常連老人が多いだけである。



「やっぱり女の子、甘いの好きなんだー」

「美味しいって言ってもらえたー?」

賀川さん、雪姫ちゃんお借りしましたー

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