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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014春
477/823

るぅるぅ墜落紀行☆作為編【GW】

5/5

 るぅるぅはへとりと渚の頭にのっている。

 構図的にはぬいぐるみが頭にのってる?


 昨夜はちゃんとアミや渚のトコに帰って、泊めてもらったのだ。

 結局、るぅるぅ洗面台で洗われたのだ。

「タワシは嫌なのだー」

「大丈夫。タワシじゃない」

「るぅるぅはちゃんと綺麗なのだー」

「ん。でも洗う」

 ん?

 会話が成り立ってなかった?


 まぁ、タワシで洗われなかったし、尻尾掴んでうろこ数えられたりしたわけでなかったので一安心。



 入浴後、パラパラと眺めたらのべはライトノベル『光る話』の名にふさわしかった。

「ちょっと、違う」

 呟いたるぅるぅに渚が突っ込んできた。

 違うのか?


 すっと鼻腔をくすぐる匂いに首をねじるとアミが楽しそうにグラスを傾けていた。


 酒なのだ!


「るぅるぅも呑みたいのだ!!」



 結局、甘いお菓子とジュースで誤魔化された気がする。るぅるぅワインはジュースだと思うぞ?


 飲ませるのだ~っとじゃれていたら、尻尾からくるくる巻かれて可愛くぷっくり膨らませている空気を抜かれて、ムゥッとしてたら欲しいだろ〜っと美味しそうな物をチラつかせたのだ。アミが卑怯なのだ。

 しかも、お菓子を食べてたらビールジョッキでるぅるぅ(エア抜き済み)を閉じ込めたのだ! しかも中身はこれっぽっちも入ってないのが許せないのだ!

 それでも、尻尾一閃叩き壊す訳にはいかないから緊張したのだ。

 思い出してちょっとムゥムゥなのだ。

 一番のむぅむぅはおなかにしまったままだった渚にもらったアクセサリーがパキンって壊れたコトだけどな。そこまで、なんか生きてたのにパキンって音とともに死んでしまったのだ。

 るぅるぅがいきなりおなか開けて確認したからか、なんか、渚以外と距離があった気がする。一瞬だけ。

 るぅるぅの血にまみれた……おなかん中切ってた?……アクセサリーは一部が割れていたのだ。

 それにるぅるぅの血は外気に触れると結晶化するので、赤い棺に入っているようなのだ。


 渚には死なせちゃってごめんなさいをしたのだ。

 魂はなくとも動いてた物が逝くのはやるせないのだ。それも、るぅるぅのためにわざわざ選んでくれたのに。


 ちょっぴり切ない。



 そして、そんな夜を過ごしてもやはり、朝ごはんは絶品だったのだ。


 アミの作るご飯はおいしーのだ。

 ばくばく呑めるのだ!



「るぅるぅ?」

『るぅるぅが欲しいのは人がいっぱい読んでいる一般的ラノベなのだ』

 渚にだけ聞こえる小声で渚に応じる。

 キョロキョロ見回したいのを我慢して非生物のふりをする。

「少しなら大丈夫」

 誤魔化せると自信満々な渚だ。

『わかったのだ。るぅるぅもいざとなったら頑張って誤魔化すのだ。いっそ、大規模の方が目立たないのだ』

 ぽふりと下ろされてジッと目を見つめられる。

「るぅるぅはちゃんと大人しくしてて」

『わかったのだぁ。どこに向かってるのだ?』

「ショッピングモールの本屋さんと、アニマチオン」

『呪文?』

「お店の名前」


 商店がいっぱい詰まった箱。

『ショッピングモール』に入るからとるぅるぅはカバンに入れられた。

 顔は出しててもイイらしい。

『楽しみなのだー』




 キョロキョロと周囲を見回す。


 まずはショッピングモールをゆっくりと歩く。るぅるぅが賑やかなの好きって知ってるから、賑やかなトコを通ってくれてるよう。昨夜そーいう話もしたのだ。

 

「異世界転移ものなら、『アリス』もかな、『おむすびころりん』とか、『神曲』とか、ん、ちょっと重いかな」

『るぅるぅが袋の中で浮かべてるのだー』

「ん、かさばるから」

 拒否られたのだ!?

 ちなみにー、財布はちゃんと渚に預けてあるぞー。

 陸が『たくさん持ち歩いちゃいけません』って本を買うならこのくらいと金額調整をしてくれたらしい。ご飯食べてるし、泊まってるからな!

 るぅるぅ無銭飲食は今回『は』しないのだーーー。



「驚いた。文庫版が出てるとは思わなかった」

『最初に見てたものよりずっと小さいのだ~♪』




 次に行ったアニマチオンは、すっごい人だった!

「GWだから」

 そのGW最中であるがゆえにいつも以上の人出らしい。

 場所によってはるぅるぅが潰されそうになって、渚が庇う。と言う状況が繰り返されてるぅるぅ心配なのだぁ。

 人ごみから少し外れては渚が息を吐くから心配なのだ。

『るぅ』

「大丈夫かい? ブラックビーチレディ」

 急にかけられた声に渚が硬直した。

 父としての貫禄がある、と言うにはまだ肉付きが足りない気もするが今回といい、前回といい、ちらり見ている限りこの年代でも伴侶が伴わないのは珍しくないようなのでそこに触れてはいけないらしいのだ。というかるぅるぅマスコットぶりっ子なのでさっきからもどかしいのだ。

 小さく首を振った渚にウィンクする細いめがねの青年。着ているシャツには少女のポージングショット。少女の足場にと生肉がちら見えしている。やわらかそうで食べやすそーだなぁとは思うのだ。

 そして、るぅるぅよりは若いと思うのだ!

「人ごみ大変だもんね、ボクが買って来てあげるよ。ちょうど、並ぶとこだったしさ」

 ついでついでと繰り返すサマはいささか挙動不審だが、人見知りの緊張状態だと感じれた。

「……ありがとうございます。芹沢さん」

 かしてかしてと差し伸べられた手に『フェア』と宣伝されている棚から適当に選んだ異世界トリップものらしい『らのべ』を手渡す。

「あれ、このシリーズ読んでるの?」

「シリーズ……」

「あれ?」

「知り合いが異世界トリップのラノベを読みたいって頼まれたんです」

『るぅるぅが頼んだのだ~連続物シリーズかぁ』

 しばらくどこか気まずい沈黙。

 るぅるぅの声は芹沢氏には聞こえない。

「よし! 同金額帯でオススメチョイスしてあげるよ!」

 そう言って芹沢氏は消えてしまった。

 外で待っててね。と言いおいて。

『ラッキー?』

「かも?」

 そっと外に出て渚は迷わず飲み物を買える箱に近づく。

「自動販売機、ね」

 チャリチャリと小銭を入れていく。

『るぅるぅ、アレが気になるのだ』


 るぅるぅの視線を追う渚。隣の箱だ。

 かしゃん。と買ったやわらかい瓶をるぅるぅの入ってる袋にハンカチに包んで差し込む。


「わかった。コレあけるのは帰ってからね?」

『るぅ』


 ……ん?


『コレ、なんなのだ?』

 あったかい缶を抱きながら首をかしげる。



「あれー。おでん缶購入はネタ? 好きなの?」


 芹沢氏の声にるぅるぅは缶を噛みかけた。



『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

より青空陸海渚嬢


『うろな駅係員の先の見えない日常』

http://book1.adouzi.eu.org/n6937bq/

より芹沢氏

『アニマチオン・うろな町店』

http://book1.adouzi.eu.org/n7590bq/

『アニマチオン』

『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』

http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/

裏結婚式ネタお借りしました☆


渚ちゃんの買ってたドリンクは芹沢氏へのお礼用☆



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