るぅるぅ墜落紀行☆作為編【GW】
5/3夜~5/4早朝
二人と別れ、飾りを無くさないようにおなかの中にしまい込んで数歩。
なにか大きな音と振動があるなと首をねじろうとしたところ、衝撃を感じた。
…………
……
イッタイ……ナニガ?
…………?
ききぃ
「あっぶなー。なんか踏んだ!?」
心持ち焦りを含んだ声が聞こえて、抱き上げられた。
「コレ? これか!? 誰だ!? 道の真ん中に玩具を放り出したのは」
生き物を引いたかと思ったじゃないかと呟く女の声。
衝撃のショックから落ち着いてきはしたが動揺をしていた。
「る」
「ん?」
「るぅるぅ。びっくりしたのだぁあああああ」
ぎゅっといきなり持たれ方が変わり、いろいろとひっくり返される。
るぅるぅ。弄ばれてる?
「痛くない?」
「るぅるぅは頑丈なのだー」
「そっかー」
あははは
笑顔で殴られた。
「黒い体色で道の真ん中にいたらわかんないでしょーがぁあああ」
はねちゃったじゃない。とブツブツ叱られる。
「わ、悪かったのだ」
「わかればよろしい。……んで、あんたナニ?」
「るぅるぅはるぅるぅなのだー」
「そっかー。るぅるぅかぁー。私は夏香だ。って、ちょっと違う!?」
るぅるぅはなにを疑問視してるのかがわからなくて首をねじる。
げーげーとカエルの声が聞こえる。
そう、るぅるぅは夏香のバイクに乗せてもらったのだ。
風を感じて疾走。そしてるぅるぅの労力はゼロ。やっほーなのだー。
そしてるぅるぅは今、夜の田畑の上を目立たない高さで飛んでいた。
夕月は細く、この辺りは街灯も少なかった。
げーげーとなくカエルの声。そして茂みからぬぅっと顔を出したゴブリンか、水棲種族の又従兄弟かと思われる生命体と顔を合わせていた。
るぅるぅが軽く前肢を上げるとヤツも同じ行動をとった。
さわりと風がふき、げーげーとカエルのなく声をBGMに互いの行動を模倣していく。
気が付けば空が白んでいた。
ふっと互いに息を吐く。
やつの眼差しは濁った未知のスープのようだったがその心根は友情に足る。るぅるぅの心はそう認識したのである。
そう、こいつ面白い。と!
さわさわと朝の風が吹く中、どちらからともなくその場を離れたのであった。
また遊んでくれるとイイなー。
『うろラジ!』
http://book1.adouzi.eu.org/n0936bv/
より東野夏香嬢
『不法滞在宇宙人』
http://book1.adouzi.eu.org/n5309bs/
より院部くん、お借りいたしました。
夏香嬢のバイクにキズはついていないと思います☆




