るぅるぅ墜落紀行☆作為編【GW】
5/3 赤い缶
るぅるぅは美味しかったアミのご飯にうっとりしつつ、町の上部をヒラフラ。
あいかわらず町を走る電車は規則正しく走っている。
上から見てると実に楽しい。
きれいにまっすぐにそそりたつ居住用箱のガラスの向こうに梅雨ちゃんの姿は見えなかった。
「あれ? ここだと思ったのだ?」
覗きこんでもいない。
間違えたかな?
ガラスを覗き込んだ時皮翼の一部が当たって金属音が響く。
渚にもらった飾りが壊れてしまうのは困るので梅雨ちゃんとの再会は諦めて移動することにする。
公園でじっと飲み物の詰まった箱を見上げる。
「喉が渇いたのだ」
硬貨を入れるような穴が見えるので手持ちのコインを持って見上げる。
人がコインを入れて飲む物を入手していたのは確認したのだ。
ルールは守りたい。
コインを見下ろす。
あの隙間に食べさせるには明らかに太い。
「どうかしましたか?」
声に顔を上げると黒髪の少女がいた。
「喉が渇いたのだ。でもコインが使えないのだ」
そっと少女の目がコインを確認する。
「この国の貨幣じゃありませんね」
使えませんと言われてがっかりする。
るぅるぅはあの赤っぽい缶が気になったのだ。
未練がましく見つめていると、少女の手が動いた。
るぅるぅが場所を陣取ってたから邪魔だった?
がこん。
ぶつかる音が響く。
取り出される赤い缶。
「熱いですよ?」
差し出される缶。
るぅるぅはドキドキと赤い缶に手を伸ばす。
受け取ろうにも手にはコイン。
「交換なのだぁ~♪」
缶とコインを交換して赤い缶を抱え込む。
缶を振るるぅるぅに少女は「お役に立ててよかったです」と言って頭を下げてくれる。
るぅるぅも慌てて頭を下げる。
「ありがとうなのだ~♪」
立ち去る少女を見送って缶に視線を落とす。
「変わった種族もいるのだ~♪」
少女から発せられる生命音は明らかに人のそれとは異なる物だった。
るぅるぅに関係が有る?
るぅるぅには関係がない。
るぅるぅに関係が有ったのはその人柄だけだ。
『いい人』それだけがるぅるぅの記憶に刻まれる。あとは名前を尋ねそびれたぐらいなのだ。
ふぅ。しかしそんなことよりも。
「さぁ、飲むのだ♪」
目の前には妙に心誘われた赤いホット缶。
そして、
開け方がわからなかった。
「の~め~な~い~のだ~~~~~」
『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』
http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/
より青空海ちゃん渚ちゃんお名前のみ
『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』
http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/
よりお名前のみ梅雨ちゃん。
『ユーザーネームを入力して下さい。』
http://book1.adouzi.eu.org/n9290bv/
より大和奏嬢をお借りいたしました。
使用日程がまずければご連絡くださいです。




