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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014春
468/823

3/19 エルザ襲撃

 確認のメールを見て笑う。無視されなくてよかったと思う。そんなコトはしなさそうだったけど、わからないし。

『エルザです。メールありがとう。シーが邪魔出来ない時間に会いましょう』

 と送信。

 お仕事の入ってない時間がイイと思う。

 


 私の時間は融通がきくから、訪ねてみる。

 お家がホテルってステキね。

 ラウンジのソファで寛いでいればソラさんが来てくれる。

 『じゃあ、行くわね。ホテルブルースカイ。見えてるから下のラウンジでのんびり待ってるわぁ』

 そんな返信をしてラウンジのソファで寛ぐこと五分。いそがせちゃったかしら?

「はぁい。ソラさん」

 急に呼び出すような形になったのにふわり微笑む姿は心和む。

 いやぁ、ここに来るまでに余計な想定しちゃったわぁ。

 それとなく、こっちでのしーの様子を話してもらいつつ、小さいころの運動神経のよさや、おとなし系だったことを話す。

「ぱっと見の印象は変わってたけど、喋ったら相変わらず変わってないなって思ったわ」

 優しい子だったし、あんまり人を疑ったりするような子じゃなかった。

 前置きをして、聞く。

「しーのこと好きなのよね?」

 頬をぽっと染めてこくりと頷く。

 ああ、一安心。

 不思議そうな彼女に笑いかける。

「だって、ホントは『え。本当は付きまとわれてウザいです』なんて答えが返ってきたらどうしようかって思っちゃうもの。今はしーも遠いから聞かれることもないものね」

 考えたこともないんだろうなという表情に和む。

「あのね。しーが人を殺しても、誰かを傷つけても、それでもソラさんはしーのそばにいるコトができる? 好きでいれる?」

 ぁあ。動きが止まる。

 かわいいわぁ。

「もちろん、例え話よ?」

 少し困惑したようなソラさん。

「私ねぇ。ソラさんのこと好きだわぁ」

 人柄も外見もしーを好きになってくれたことも。









 後は他愛ない話題でお茶を濁して席をはずした。


 かわいらしくて善良な少女。


 こういう相手だから、マンディを排除したかったのねぇ。

 欠片でも、彼女に傷ついてほしくないから。



 昨日ミツルとの会話。

「あのさぁ。エルザ、仕事相手にさ、あんまり干渉したり、感情を傾けたりしていたら適切な判断・対応を求められた時に困るコトになるぞ?」

 突きつけられた正論かもしれない言葉。

 それでも。

「感情を傾けてこそ良い関係も築けるのよ」

 私はしーが好き。

 望むならしずめと呼んであげたい。

「処理指示出た時、どうするわけ?」

「それは私の仕事じゃないわ。私はその結末を悲しめばイイだけだわ」

「うっわ。羨ましいぜ」

 棒読み発言。多分、感情は揺れてない。そんな状況ギリギリまで考えたくない。

「ねぇ、空さんってどういう人?」

「基本は夏限定でうろなに戻ってくる海の家、水族館からしたら隣家だな。の真ん中のお嬢さんだよ。歌うのが上手で、控えめで優しそうな女の子。ここの家族との仲は千秋も阻害しない感じだな。つーか……」

 夏のシーズン、ミツルは大概アメリカに戻ってきてる。基本はすれ違いなんだろう。

「つーか?」

「やったらマズイって思ってそうだなぁ。そういう回避力、高い方だからなー」

 ミツルは六年近くそばで見守っているだけあって詳しい。

「私、チアキは知らないのよね」

「知って損はないと思うな。同僚になる可能性もあるしなぁ」

「そんな指示も出てるんだ?」

「まぁな。観察録はちゃんとシュレッダー入れとけよ」

 読みながら頷いたシュレッダーにかけた観察録は普通のことしか書かれていなくて、遠巻きにかけた負荷に関する反応録が気に食わなかった。




『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

ホテルブルースカイ、青空空さんお借りいたしました。

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

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