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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014春
455/823

4/11 展開は

「碧!」

 再会したさーやねぇちゃんにはいきなり殴られた。

 りゅーとりょーがびくりと後ずさるのが見えた。

 りゅーとりょーが大阪の家にいたのは二ヶ月。さーやねぇちゃんは留守も多かったから知らなかったんだろう。あと、二人で基本完結してたから見てなかったんだろうとも思う。

「だって!」

 だからって素直に殴られて受け入れられるほどじゃない。

「だってじゃない!」

「あいつがいたのは確かなんだって! あいつ、俺のことは前だって、覚えてたから!」

「だから逃げたの?」

「……そう、だよ。弟や他の家族がこわがるような状況を作るわけにはいかないだろう。俺があいつの目に留まらなければ普通の生活じゃないか!」

「どうするつもりだったの。このまま見かけるたびに逃げ続けるの? 学校に通えなくなってもいいの? 仕事について、それでも見かけたら逃げる?」

「ずっと、ずっと逃げるわけじゃねぇよ!」


「あいつって?」

「実父の人。碧んトコも飛鳥ちゃんとこも暴力揮う系の人だったらしいね」

 ちーちゃんがりゅーに情報流してた。りょーはその発言に嫌そうな表情をする。


「って、ちーちゃん、妙な情報流さなくていいから!」

「みどりちゃん、いたいー?」

 アリアちゃんが寄ってきて撫でてくれる。

 なんか、これが一番ダメージなんだけど?


「ま、月曜にでも清水先生に相談してみるよ」

「暁あにぃ?」

「ほとぼり冷ますのに一週間から一ヶ月は必要なんだろう?」

 言われて頷く。前回もそのぐらいだった。

「一学期の間、こっちで学校に通えばいい。実際、非合法な追跡をするなら資金もかかるけれど、そこまで財政に余裕のある人でもないはずだし、知り合いに話は通しておくから。落ち着いて学校に通うことだけを考えればいい」

 あの家から辿っても保護者をやれる人間のツテは多いし、あえてバラしたりはしない。関係者をたどって俺を見つけることは難しいはずだ。

「高遠碧。どうしたい? こっちにいるなら、弟とは離れて過ごすコトになるぞ?」

 心配は心配だ。だけど、

「あっちには大希(ダチ)がいるから大丈夫だと思う」

「じゃあ?」

「暁あにぃ。お願いします」

 

「わかった。家に電話しとけよ?」

 頷く。

 飛鳥もさーやねぇも暁あにぃも言うことは同じだ。

 手は貸してくれる。見守ってくれる。でも、心の微妙なところには自分からは踏み込まない。

 してくれて提案。

「うん」

 踏み込んで、『助けて』と縋れば全力で助けてくれるのを知っている。

 俺が見つからなければ弟が暴力にさらされることはないはず。逃げた時、弟は小さかった。成長した姿を想像しても確信はできないはずだ。きっと。そうでなきゃいけない。

 弟もこっちで、でもそれはワガママだし、きっと見つかる危険性も出るかと思えば選べない。

「泣かれるのかなぁ?」


「おとーと泣かすの?」

「ちび泣き虫だったよな?」

 そのタイミングで発言するりょーとりゅー。

「もう、あいつだってそこまで泣き虫じゃねーよ!」


「じゃ、さっさと電話してやれば?」

 ちーちゃんからポンッと投げ渡されるケータイ。

「みどりが使えばいいってさ。予備用のけーたい、なんだ」

「大阪のうちのアドレスと俺らのアドレスが登録されてるからね」

「ああ」

「あっちなら人こないよ?」

 りゅーとりょーに場所を促されて電話をかけに行く。



 結局弟に泣かれて、大希ダチにいろいろ頼み込むことになった。

 あとは、飛鳥のところじゃなくて暁あにぃ達の所に住むことになった。

「久しぶりだな」と笑うしーちゃんはデート帰りらしく普通に遅めだった。かわいい彼女をこっそり眺め見た手前微妙に気まずい心境にかられた。

『うろな担当見習いの覚え書き』

より清水先生

http://book1.adouzi.eu.org/n0755bz/

『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

より空ちゃん

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

話題、その他でお借りいたしました☆

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