怪人とわたあめ
みあとのあのステージも終わり約束のりんご飴~とおもったら、のあが
「わたあめ食べたいの」
とかわいいことを言ってきた。
「わたあめなー。買ってやる買ってやる」
気分はどこか悪い人だ。
「みあとせりちゃんとすずねちゃんはりんごあめね。あと、隆維兄がたこ焼き食べてた」
ずるいとばかりにほっぺを膨らますみあ。
うん。かわいい。
と、いうわけで。
「秋原さーん。食券売ってください。りんごあめ4とわたあめ2、予備にたこ焼きと焼きそばそれぞれ1で」
「足りるの? 朝からいたでしょう? お菓子ばっかりじゃダメですよ」
秋原さんに注意された。
相変わらずやさしい。
「じゃあ、あの行列が落ち着いた頃にまた会いに来ることをこの怪人カラスマント。お約束しましょう。美しい方」
手をとろうとしたらよけられた。
「大人をからかわないの」
「ぇー。カラスマントは気障な怪人なんですよ。マジで」
「りんごあめーー」
「わたあめ。」
妹たちがごねそうだったので切り上げる。
「じゃあ、またあとで、かしら」
「はーい。さぁ、正義の戦士たちよ。わたあめとりんごあめがほしくば来るがいい」
小さくマントを翻す。
「あ。怪人カラスマントだ」
その後、なぜか妹以外のチビッ子数人にりんご飴をおごる怪人がいたとかいないとか。
「とゆーか、なぜ、サツキちゃんに俺はおごってるんだ?」
「気にするにゃ。今リーチにゃ」
のあがわたあめ売り場に行きたそうにこっちを見ている。
あ。千秋発見。
サツキちゃんがここにいるぞー。
「みあ、千秋呼んでこい」
「びんごにゃーー!!」
あ。
「呼んでくる?」
「いや、いい。わたあめ売り場行くぞ」
ビンゴしたとたん、突っ走っていったサツキちゃん。
千秋に声をかける根性はない。千秋に俺達の分のビンゴカードを預けわたあめ売り場に向かう。
わたあめ売り場では同年代の拾われ少年が売り子をしていた。
「わたあめを作ってもらおーか」
胸をそらし、偉そうに食券を差し出す。怪人らしくいっとくぞー。
「あ。はい。いらっしゃい」
戸惑う反応。結構まじめ系かな?
「すぐ食べるの。おねがいします」
「うわぁ。ほんとうにくもみたいにふわふわだねー」
そばで覗き込みそうなお子様たちを確保。
「あんまり夢中だとりんごあめ落とすぞ」
みあに忠告。
「どうぞ」
のあはわたあめをもらってにっこり。
「おにーちゃんありがとう」
「のあちゃん、あっちで座って食べよう」
「うん」
のあがわたあめゲットするまでみあもりんご飴を食べるのを我慢してたのだ。
うちの妹達超イイ子。
「あの、」
「ん?」
差し出されるわたあめ。
ああ。二枚とも食券出したもんな。
みあとのあの分って思ったんだろう。
「ああ。ありがとう。毎年コレがないとなー」
そう。これは俺の分である。
「ではさらばだ!」
少し屋台から距離をとってばさりとマントを翻す。
みあとのあの視線が心持ち『またやってる』って感じで冷たいのはスルーだ。
「食い終わったらアスレチックの方いくぞー」
「はーい」
夕方、ステージの方が異様に盛り上がるまでアスレチックの方で軽く遊んでた。
怪人カラスマント。不審者にあらず!
何時も天狗仮面さんも大変なんだな。
盛り上がりに様子を見に行ったら小梅先生が田中先生と踊ってた。
千秋と芹香、天音ちゃんたちを見つけた。
かろうじて取り繕っている千秋が根性無しと思う。
というか、
「天音ちゃん、分裂した?」
浴衣の袖で思いっきりはたかれた。
「もう」
「公志郎といいます。いつも妹がお世話に……痛いよ天音ちゃん」
仲はいいらしい。その様子にひとしきり笑う。
「千秋、ちょっと射的行ってくるから」
「わかった。見とくからいってらっしゃい」
マサムネ君
サツキちゃん
秋原さん
梅原先生・田中先生
お借りしてます。




