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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014春
431/823

3/14 ホワイトデー(定時)

「今日は何の日だー」

 ミホが声を上げた。

「まぁ、三分の一が休んでも学級閉鎖にはならないねぇ。風邪とインフルエンザとお仕事の都合かぁ」

 答えてるのは瀬尾のおじーちゃん。

 うん。今日はおやすみが多いの。

「今日はホワイトデーだぁ。何で今日に限って登校者が少ないのよぅ。くそぅ」

「まゆちゃんはねぇ、体調悪いのに期末の帳簿付けで忙しくさせちゃって今日は用心のためおやすみー。飛鳥ちゃんとヒロ君はー、増税前の発注過多で流石に残業だってー。けーきいいよねー。もとちゃんはインフルエンザだってー。で、せっちゃんはねー。ちょっとパチンコでお金すっちゃってホワイトデーのプレゼントねー。ちょっと待ってねーん♪」


「せっちゃんサイテー」

「いやん。ののしられちゃったぁー」

「よろこぶなー」

 有坂君はサボりらしい。ホワイトデーだからかなぁ?



「はい」

 ポンッと手の上に水色の箱が置かれる。

「本宮さんとぼくが出資、葦原に買ってきてもらったコンビニ品」

 ちらりと瀬尾のおじーちゃんを見て声を潜める。

「あのじーさんにかませると下着とか選びそうだから」

 サラッと言われて、ふぅんと返しかけてひゃあっと赤面してしまう。


 下着って!?



 ミホは笑ってオッケーしそうだけど、飛鳥ちゃんは怒りそう。いや、僕も困るけど。

「ほらおまけ」

 手の上にぱらりと乗せられるのは週初めの新商品の飴だろうか?


「あーー! ずっこーい。るぅちゃんだけーーー」


 気が付いてミホが声をあげて寄ってくる。風峰弟さんはチッと軽く舌打ちして箱を二つのせてくる。

「渡しておいて」


 騒がしいのはあまり好きではないらしく、するりとミホから距離を取り、

「葦原、キャンディ系来週はめぼしい新商品ありそう?」

 そんな情報を葦原君に聞いている。


「るぅちゃん」


 僕は慌ててミホに箱を一つ渡して、飴を見せる。

「どれがいい?」

「キウィ味」

 ダイエットキャンディをミホに渡すとニコッと機嫌を直した。


 つ、疲れる!


 普段、飛鳥ちゃんと真由子さんにどれだけフォローされてるかと思うとちょっと凹む。


「舞ちゃーん。これ舞ちゃんの取り分ねー」


 ばたばたとプレゼントを差し出しながら、舞ちゃんにのしかかるミホだった。ゴメンね。舞ちゃん。僕には止めれない。


「ぁ。葦原君、仄さん、ありがとう」



『ユーザーネームを入力して下さい。』から津田舞ちゃん。

http://book1.adouzi.eu.org/n9290bv/


『冬過ぎて、春来るらし』より葦原瑞穂君お借りしました。

http://book1.adouzi.eu.org/n7507bq/

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