表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年一月
423/823

11/30 注意速報☆

『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』

11月30日 花嫁奪還大作戦 関連リンク☆

 それは祝福の歌が終わった頃、ポツリとカラス君が呟いたのだ。

「危ない、よな?」

 瞬間、何が危ないのかがわからなくて首を傾げる。

 少し考えたらしいカラス君が心持ち慌てる。

「やべぇ。あぶねぇわ」



◆ ◇ ◆


「ええい! 不満そうに見るでない!」

「えー。だってー」

「森とはな! 元来、危険な場所であり、道無き道を行くと言うコトは遭難の危険も当然有る! たやすく踏破できるなどと誤解する者が出ては危険なのだ! チャレンジャー厳禁! というわけでサイトから見れるような大まかなルート表示も出すべきではないと思うぞ」


「そりゃ、この速度は清水先生ならではだろうけどー。そんなに危ないのー?」


「ちなみに、熊や猪も出るらしいからな! 『ちょっと冒険に』と入った不馴れな人間が死んでもおかしくないのだ。茂みに隠れて見え難い崖も有る。高さがさほどなくとも用心なく、落ちれば危険だ。草や落ち葉で隠れた水場もある。コレも足をとられれば危険だ。という諸々の危険があり、森に入る時は定められた場所から誰かに告げてから行くべきである。大人に告げることなく、子供だけで行ってみようなどと思わないように!」


「熊出るの!? あぶなっ! こんなルートで問題ないのは人外な清水先生ぐらいなので、いい子は真似しちゃダメだよー」


「シアンちゃん、気軽いな」

「うーん。あんまり実感がないかなー」

「小中学校で遠足とか登山とかそういうイベントはあったろう?」

「シアンちゃん、すべて、不参加です♪」

 いや、まじで。

「今度実地で、危険度に触れてみるか?」

「シアンちゃん都会っ子なので遠慮します☆」

「体力の限界に挑む森林探索コースなんかどうだ?」

「遠慮しますー。紅葉狩りデートは小鳥ちゃんとご一緒にどうぞー♪ 具体的な危険度の体験解説は後ほど清水先生にお聞きしたいと思いまーす☆」

「みんなも森に入る時は森を知っている人と一緒に行くんだぞ! そして必ず誰かに告げてからだ! ……紅葉狩りデートなら行ったぞ?」

「とくに暗くなってから危ないぞ♪ ねぇ、ココで言っちゃっていいの?」

「?」


「バ・カラスとシアンちゃんによる、注意速報でした☆」



◆ ◇ ◆



 企画主催者の高原直澄さんに『森の危険度を軽視するのが出そうでやばくね?』と連絡を入れてたりした挙句のばったばたである。

 ま、他からも注意はきてたかもだけどね。

 初期データは流れてるから完全流出阻止はできないけど、子供が出入りしなきゃいいんだけどな。

 できるだけ早急に抑止しとくのも大事だよね。

「とりあえず、自然と触れ合おうツアーはお手軽に海釣りから?」

「釣り用の餌ってうにうにとして気持ち悪そーな奴ですよね? 触れません」

「まじ?」

 あの動きとか気持ち悪いし。


「森歩きの危険度をサイトに乗せてもらったほうがいいですかねぇ? カラス君、詳しそうなの誰ですー?」

「んー。工務店のおっちゃんとか、藤堂先生とか、やっぱうろついてる清水先生とか? あとは、ツチノコ探しの銀行員?」

 清水先生に一言告げておけば何とかなりそうかなー?

 先生の顔広いもんなー。

「ま、その辺の判断は澄先輩に任せればいいよなー」

「バカラス君がそれでいいんならいいけどねー☆」

「ところで何でバカラス? すっげーバカにされてる気がするんだけど?」

 え?

 気で済ますの?

 つまり状況をちゃんと理解してない?

「うん。すっごくバカにしてるよ♪ どっちかっていうと、気分だけで済ましちゃうバカラス君がすっごい☆」

 むぅとした気配を感じる。

「けっこう、町の人たちが見たり聞いたりチェックしたりしてるよね。このイベント」

 うんうんと頷くカラス君。


「その場で紅葉狩りデート公言して、からかわれるネタを提供したでしょう?」

 空さん、大丈夫かなー?

「あ」

 お、気がついた?

「相手は特定してない!」


 わかるわっ!!


「デートした回数は?」

「ストーカー対策の偽装デート含む?」

 そーゆーこともしてたんですね。


「バカラス君。怒られた時は素直に謝っておこうね☆」

「ぉ、おう」

『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』より

清水先生、高原直澄君

http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/


『うろな町でツチノコを探し隊』より

川崎省吾さんを

http://book1.adouzi.eu.org/n7518bq/


『うろなの雪の里』より

藤堂先生を

http://book1.adouzi.eu.org/n9976bq/


『うろな町~僕らもここで暮らしてる~』より

熊さんと猪さんを

http://book1.adouzi.eu.org/n7914bq/


『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』より青空空ちゃんを

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/


『うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話』より

前田鷹槍さんを

http://book1.adouzi.eu.org/n2532br/


話題としてお借りいたしました☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ