11/30 質疑応答
『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』
11月30日 花嫁奪還大作戦その14 猫ナビ様は偉大です。森に響く祝いの賛歌♪
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http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/121/
「……シアンちゃん」
カラス君、というより言葉のテンション的に鎮先輩が声をかけてくる。
声掛けの理由はわかっている。
駅からアトリエまでの超高速到着に着目してるのだ。
まぁ実際さすが先月の決闘前にしてた修行のハンパなさが知れると考えておく。
スペック高い人ってすごいよねー。
「データが時々飛んだねぇ。まぁ、あの異常速度じゃ仕方ないね☆ カラスくんは何度かあの辺歩いてるんだよね?」
GPSの追跡が時々飛んでいて憶測は立てれてもルート確定はムリな感じ。
速度から導き出す予測値もかなり厳しい気がする。
「一応道なりっぽくな。伊達に隼子ちゃんに振り回されてねぇ。でもな、あんなルートしらねぇ」
図書館のお姉さんに振り回されてるもんねぇ。
獣道もあるかちょっと怪しいようなルートだったのかな?
「ルート知ってたら、あの速度出せるー?」
「ムリだ」
気まぐれに尋ねたら即答された。
「えー。がっかりー」
「うるせー」
「まぁ。怪我もないようだし、何よりだねー」
「まったくだな」
雑談を切り替え、清水先生の無事到着を祝福しておく。
「海さんに刺身盛り合わせ作成頼んだら作ってくれるかな?」
「いっそ小梅センセに頼んでみるか?」
「花嫁に頼んでどーするの☆ お・ば・か・さ・ん」
「シアンちゃん」
「なぁにー?」
呼ばれて出て来た合唱グループはきぐるみで愛嬌がある。
「何でうさぎさんなの?」
空さんのコンセプトに疑問があるのだろうか?
セイレーンにこだわってる?
それとも、
「コンセプトは森の動物さん。だからかなー♪ カラス君的に萌ポイント?」
「萌っていうか、うん。かわいいとは思うよ?」
表情は微妙。何かがうまくかみ合わない。納得できないという感じ。
友達にはなれませんと言うとよく見れる表情だ。
「なんか、ひっかかってるのかなぁー?」
顔の前でくるくると指先で円を描きながら聞いてみる。
「コンセプトが羽のあるうさぎ? えっと、三種複合生物? 人とうさぎと鳥?」
「……」
このカラス、なに言ってんの?
「な、なんだよ……?」
立場なさげに一歩下がるカラス。ここでへたるな。
「そこに詰まるとは意外でした」
うん。かなり本気で。
「素に戻ってんじゃねぇ! 擬人化とか獣人とかってキャラだてはいいよな。わかるけど?」
本気で幻想生物と三種複合生物という妙に現実感があるかないかわからない感覚の中彷徨っているらしい。いや、両方とも現実感はないのには変わらないんだけど、後者の響きが血なまぐさい実験等を連想されるのはなんなんだろう?
「よくある幻獣に合致物件がない時点でいきなり三種複合生物という単語が出ることが超意外です」
「えー?」
疑問をもたれる事が意外ですか、そうですか。
「うさぎ擬人化天使ですよ」
「……。ぁあ。天使か! 空ねぇには似合うよな!」
少し間を置いてポンと手を打ちにっこり。
そうですねぇ。血生臭さそうな三種複合生物より天使のほうが神聖でほんわかですよね。
「この時点で天使発想がなかったのはよくわかりました。この業界発想力は重要ですよ☆」
三種複合生物っていうのもある意味発想力な気もするけどねー。
「くぅ。ダメだしかっ!」
女の子を複合生物扱いしてる時点で、ダメです!
「そして、今回もそばでは聴けなかったねー♪」
コンテストの時から聴けてないんじゃないかな?
式場では緊張してたしね。
デート中にそんな機会はないだろうし。
『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』より清水司先生 清水渉先生を
http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/
『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』より青空海さん、空ちゃんを
http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/
お借りいたしました♪




