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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年一月
410/823

2/14 バレンタインを君と

お迎え

 途中までそういっちゃんと一緒に行く。天音ちゃんと鈴音ちゃんを回収するらしい。

 それにしても表現が回収。

 ちょっとアレだなと思ったりもする。

 熱を出したことの口止めが効いてなかった事をぼやくとそういっちゃんはまた微妙な表情。

「口止め?」

 え?

 え?


 ち、千秋さん?

 どういうことだよ。おい。


「まぁ。自分から正直にネタ振りした方が無難かもですね。心配かけたくなかったと、正直に」

 口止めなかったの? って聞くと頷かれた。そりゃもう普通に。

 ええっと、正直に?

 じゃあ前日のおまぬーな原因説明もしなきゃダメじゃん。

「もちろん、僕が強制することじゃないですしご自由に。ただ、天音と鈴音、うちの妹達は先輩が熱出して休んだってコトは昨日時点で知ってましたけどね」

 き、昨日は海ねぇのチョコ教室。

 ば、バレてる以外考えられない。

「いっそ、もう泣きついて看病にきてもらってれば良かったんじゃあ?」

「恥ずかしいだろぉ」

「いや、照れくさげに睨まれても困りますからね」

 だって、照れるし。

 想像したら恥ずかしい気がする。

 千秋曰く発熱時の俺ってウザいらしいしなぁ。

 って、やっぱダメじゃん!



 そりゃ、薬飲んで隔離部屋で寝てるだけだけどさ。

 感染防止にろくな看病もねぇけど、チビじゃないしさ。

 学校行く前に千秋は様子見に来てくれたし、バート兄もきてた気はするけどさ。

「なに拗ねてるんです?」

「そういっちゃんもお見舞いとかなかったなーって」

 拗ねてねーよ。

 少し考え込むように黙られる。

 えっと、言ってみただけだから真面目にとられると気まずい。

「隠してたなんて知らなかったので、空さんがお見舞いに行ってると思ってました。邪魔はしないことにしてるんです。気まずいことになりたくないですから」

 そ、そういっちゃん。

 今がすっごく気まずいよ?

「メールもできない状況だったんでしょうし、仕方ないですよね」





 ……ごめん。メールはできた。






 商店街についたころは思ったより早足になっていたのか、空の終わる時間には少し間がある感じ?

 いつも待っているポイントにふらふら向かう。


 ん。

 花屋(ピグミー)の前で足を止める。

 花、かぁ。

 目についたのは合格願掛け用のクローバーの小さな鉢植え。四つ葉とうたってあり、バレンタイン仕様になっているものもあって気になる。


 花じゃないけど。



 確か、いいことがあるんだっけ?

 気がつくと購入していた。

 選んだのは蒼く高い空色のラッピングに縁部分に白いリボンで飾られた小さな鉢植え。鉢なのかな?

 ピンクのハートの看板で『バレンタイン』って書いてあって裏に自分でメッセージが書ける仕様。


 時間が思ったより過ぎていて、慌てて、『無限回廊』に向かう。


 空とすれ違ってたりしないよな?

 そんなことを考えながら、何時もの壁にもたれる。

 メールがきてないか、一応チェックする。

 たぶん、バイトがないってことはないと思うんだけど。





 空と帰る時間。


 横にいる時間。


 待っている時間。


 会話はあってもなくてもいい。




 ドアから出て来る(きみ)


青空海ちゃん空ちゃん

『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』から

商店街の花屋ピグミー『ワルい奴ら』から

話題にお借りしました。



「おつかれさま。帰ろうぜ」

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