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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年一月
389/823

2/7 料理部

「バレンタインが近い! 欝だ!」

すぐる

「もらえる奴らばかり浮かれやがって!」

 教室であがいていると宗の視線が痛い。

 なんか最近、クラスの連中にもお友達認知が進んでるようで微妙だ。

「料理部からはもらえるんじゃないの?」

「村瀬先輩かぁ。部員宛に義理チョコ作ってくれそうかな。あとは、最近顔出してないけど、千秋先輩から?」

 待ておれ。

 千秋先輩は入れちゃいけねぇ。

「僕からもあげようか?」

「いらんわ!!」

 何が悲しくて男からチョコ貰って喜ばなくっちゃいけないんだ!

 可愛く首を傾げられてもいらん!





「今日はチョコレートクッキーを作るわよー♪」

 麻衣子部長が腕を上げる。

「混ぜるのは手伝ってねー」

 村瀬先輩の言葉に頷きながら調理室で材料を並べる。

 手伝える作業を手伝いながら視線を感じる。

「部員を、探さないとまずいわ。名前だけでいいから山辺君引っ張ってこれない? すぐりん、お友達でしょ?」

「やっす」

「生意気だわ。鎮も本格参加はしてくれないだろうし、千秋は参加フリーで名前だけでもいいっていうのが最初の条件だからなぁ」

 そっと見つめられる。睨まれるとも言う。

「問題は料理のできるメンバーよ!」

「今、村瀬先輩だけになってるしねー」

「栞ちゃん、早く作れるようになってね」

「先輩こそ!」

「ふふー。早川君が一番期待の星だね」

 村瀬先輩がにこやかにボウルを差し出してくる。

「仲いいんでしょ?」

「妙に懐かれてるけど裏がありそうで」

「シアンちゃんだもんね」

「どう転んでもやつは性悪っすよ!」

 ノワールだろうがシアンだろうがたちの悪さには変わりない。

「まぁ、類友よね」

 村瀬、先輩?

 にこりと笑われる。

 胃が冷たいのか胸が熱いのかわからない。

「おれの性格が悪いと!?」

 ふふっと小さく笑う村瀬先輩は愛らしい。

「かわいいままでいてね」

 そのぐらいかなとボウルが回収される。


 先輩、義理でいいんでチョコください。


「愛子、友チョコしかまかないわよ?」

 部長、

「料理部やめていいですか?」

「だーめ」


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