2/5 どっちが難あり?
「セリちゃんはバレンタインどうするの?」
「バレンタイン……? ああ。お兄ちゃんたちがチョコをくれる日だよね」
「え?」
「去年は鎮兄がホワイトチョコとミルクチョコの二色仕立てのチョコレートクッキーで、千秋兄がサクランボのチョコレートケーキ。隆維涼維兄が共同でチョコレートコーティングの苺一籠だったわ。そっか、そういう時期か。楽しみだね!」
「ち、違うよ。セリちゃん。その認識は間違ってるよ!」
「間違ってないわ! 去年はお兄ちゃんたちがくれたもの! バレンタインだからって向こうの兄もチョコレート詰め合わせ贈ってくれたわ!」
間違ってるだなんて失礼だ。
「バ、バレンタインは女の子から好きな男の子にチョコレートを贈って告白していい日だよぉ」
「好きなら、好きって言えばいいでしょ?」
告白していい日。だなんて変!
「まぁ、お菓子メーカーのいんぼう説はよく聞くけど、この時期はいろんな種類のチョコが出てくるでしょ?」
陰謀?
「それはそうね。オヤツ買いにたまに出かけると目移りしちゃう」
「きっかけがいるの!」
「告白に?」
「うん。イベントっていい機会でしょ?」
「うん。それはわかるかなー。本人次第なとこは強いけど」
鎮兄とか千秋兄とか。
イベント活用率の違いが痛いよね。
「あとね、普段お世話になってるおにーさんたちに普段言えないお礼をしたりなの!」
「お礼?」
「だから、日生のお兄ちゃん達におくるチョコをね、天音お姉ちゃんと作るの! 天音お姉ちゃんは上にはあげてもいいけど下にはあげないとか言ってるけど、一緒に作っておくっちゃえばいいよね」
「私も作るわ!」
ちゃんとお兄ちゃんたちといい雰囲気になってもらうにはこのイベント大事かも!
「おじいさまのね、チョコにはおじいさまお魚好きだから、お魚入れようかなって思ってるの! 好きなものと贈りたいものが合体って素敵だよね」
……?
…………ベルベル、今、怖い事言わなかった?
「天音お姉ちゃんは生魚は食中毒こわいからダメっていうの」
違う!
そのレベルの怖いじゃないよ!!
「……うん。生魚はダメだと思う」
「そっかー。でもセリちゃん好きな男の子いるの? 誰におくりたいの?」
「うん。一応、そういう話聞いたからそういっちゃんとお兄ちゃんたちかな。作ったことある?」
ベルベルはニコニコで頭を振る。
私もない。
天音ねぇが一緒でもベルベルの危険度がわからない。
後で、海ねぇにお電話してみよう。
ベルベルのチョイスがこわすぎる。
青空海さん、ちらりお名前借りております。
料理ネタで頼るなら彼女だよね!




