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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年一月
380/823

2/4 放課後

 見たのはキスシーン。

 アレは鎮兄の意思はない。

 あの女は、後ろに空ねぇが見ているのを確認してやった。

 鎮兄に「好きだ」と言わせた。

 すぐにそこに空ねぇがいるのに気がついていないっぽい鎮兄も気になるけど、空ねぇに任せる。

「愛菜!」


「芹香ちゃん」


 追いついた愛菜に声を掛ける。

 振り返った愛菜はどうしよう。泣いてた。


「好きなのに意識されてなくて嫌だ」

 そう言って泣く。

 泣きたいのはそんなわがままで自分の恋愛壊されかけてる鎮兄でなかろうかと思う。

 鎮兄は基本対人関係築くの上手じゃないんだから。

 せっかく、空ねぇとはうまくいきそうなのに。



 とりあえずは公園で喋る。

 寒いけど、それなりに人が遊んでる。

「ダメって言われたの。花の妹って以上の価値は私にないって」

 すんっと鼻をすする音。

「花ちゃんに何ができるのよ。何の価値があるって言うのよ。私の何が劣るって言うのよ!」

「全部。芹香、こんなのに関わっちゃダメだよね。帰るよ? 君も、近づくんじゃないよ? 目障りだから」

 背後から千秋兄に抱きしめられる。

 足が宙に浮く。

 正面にいる愛菜の表情は凍りついたように固まってる。

「美丘のおばさんに迷惑だったって連絡入れとくね。次は、ないよ?」

 冷たい千秋兄の言葉。

 中学生の女の子を脅しつけるってどうなんだろう?


「何があったの?」

 千秋兄が私を抱っこした状況で聞くんだけど、何の拷問?

 羞恥プレイ反対!!

 暴れると耳元で「肩に担いで運ばれたい? その状況で暴れたらスカートめくれるね」って囁かれた。

 外道め!!

「うーん。どうやってフォローしようかなぁ。厳しい状況作ってくれるよねー」

 説明を聞いた千秋兄は軽い。

「空ねぇのフォロー?」

「あんまりさ、他が手を出さない方がいいんだよ?」

「だって! フォローって言ったじゃない!」

 わけわかんないよ。

「ちょっと、めんどくさいけど鎮のメンタルケアに付き合うかー。うっぜー」

 って、千秋兄そこまで嫌そうに言わなくても。


 もう、しかたないなぁ。

青空空ちゃんちらり借り





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