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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年一月
373/823

1/22 夜の教室風景

風峰仄教室での立ち位置 いまだ不明(だと思う。

 高校の教室。

 生徒は好きなところに座っている。

 女子たちの話題が微妙だ。

 かばんに入れてきた非常食を口に放り込む。

 授業を受けるといっても結局のところ最低定員を割って廃校にさせないための人数あわせだ。

 まともに授業を受ける気も馴れ合う気もない。だから教室は後ろの壁際。愛好者が意外と多く前に座れと言われた。

 というか、馬鹿あにの職場で協力中って言うのが一番むかつく。


「ほーのちゃん、ナニ食べてるの~?」


 ひとつ包装を剥いてじーさんの口に放り込む。

 しつこくされるぐらいなら安いえさだ。

「ジンジャーキャンディー♪」


 ただの生姜飴だっつーの。

 視線が合ったので有坂と葦原にもひとつずつ投げる。

 特に有坂は禁煙中だしな。


 ため息が出る。

 馬鹿が企画していた『職業体験してみよう企画』まずネーミングを何とかしろと。思う。

 そして自力で稼いでるおれを数に入れるな。

 あの馬鹿居候が。

 イラついてるとおっさんと視線が合った。

 上の兄と同じくらいだろうか?

 つい視線を合わせたまましばし。


「喧嘩はだめだよぅ♪ ガンの飛ばしあいだなんてしびれちゃうけどねっ」



『違う』



 じーさんに止められ、本宮のおっさんとハモった。

 あんまり嬉しくない。

 かばんを漁って投げつける。

 投げたのはゆず蜜飴。少し声がかすれてたから風邪のひきかけかくさい。うつされるのは困るから予防しとけと思う。


 飴が欲しいなら言えばいいのに。


 授業が始まるまでの時間は懸賞サイトで欲しそうなものを眺める。

 発泡酒とかなら飲んだ後の感想書く条件があるけど当り率いいんだよなー。

 一時間目にはいなかった広前が来ていた。

 生活スタンスは基本的に近い。

 奴は能動的に稼ぐスタイルだけど、おれは好きなことが出来てればいいと思ってる。

 というか、馬鹿に貸してる金が返ってくれば結構ゆとりはある。まぁ返還の見込みはないけど。

 広前はかばんから持参したノートPCを引き出し、そのまま画面に食い入る。

 女子軍の日生があきれたように息を吐く。

「仕事持ち込まなくてもいーのに」

 聞きつけた広前は答えずPCから視線を外さない。

 ただ、「あと一息なんだ」と唇が動いたのは見えた。


 悪戯を仕掛けられる前に教室にぶらりと来た津田先生のアドバイスで解決するまであと少し。

 少しプログラムのノウハウで盛り上がり、授業は始まりが十分ほど遅れたが誰も不満は口にしなかった。


「津田ぱぴーマジ頭いーんだね」というじーさんに完全同意したわけではないけどね。


 津田(娘)が得意気だったと評しておこうと思う。

津田親子

葦原君ちらりとお借りしました!


鞄の中にはコンビニ新作キャンディーが各種入ってる模様。

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