表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年一月
369/823

1/31 深夜

夢覚めて

 ゆっくりとゆっくりと沈んでいく闇の中。


 ほんのりと白が見える。


 知らない女の人がベッドに寝ている。


 背中を押されるからそのベッドのそばへ行く。

 女の人がこっちを向いた気がしたからベッドによじ登る。




『坊や?』




 覗き込むと女の人は知らない言葉を発する。

 不思議な音に聞き覚えはないけど呼ばれた気がするから笑う。

 声をかけてくれたのが嬉しくて。

 そのまま震える手で僕を抱きしめ、キスを落とす。

『ご挨拶』を受けたから僕からもご挨拶。


 僕はあなたを好きになれますか?

 あなたは僕を好きになってくれる?



 よくわからない言葉でたくさん喋ってくれて撫でたりキスをくれたりする。

 たまに近づくなってする人もいるけど、僕を見るまなざしは優しい。



 二度目に会う人は少なくて、一度で会えなくなる人が大半。

 二度目会えるのは稀。すごく嬉しい。

 三度目はめったにない。

 ベッドに横たわる女の人。

 四度目に出会った人はいない。


『そこの灯りを消してね』


 僕はあなたが好きだよ。

 さようなら。


 あの言葉の後に会った人はいない。


 その意味に気がついたのはいつだっただろう。



「ねぇ、シー」

 頭を撫でてキスを贈ってくれるやさしい声。

「なぁに。まま」


 優しい手。額にまぶたにと落とされるキスがくすぐったい。


「いい子ね。お願いをきいてね?」


「うん!」


 ままのお願いをきけるのは嬉しい。

 ねぇ。僕でできること?

「いい子ね。愛しているわ」


 褒めてー♪
















「そこの灯りを消してね。そして、…………お約束、ね」


















 嫌な夢。


 セシリアママとの約束は思い出せない。


 そっとチビどもを起こさないようにベッドから出て窓を見る。

 冷たそうな塊が小さく窓を叩いて落ちていく。


「しずあにぃ?」

 隆維の声に振り返る。

「わり。起こしたか?」

 謝れば軽く首を振られる。

「冷えると寝にくいよぉ」

「ああ。すぐ戻るよ」

「体、あてるんなら涼維にねー」

「そんなに冷えてねーよ。ほら、場所空けろよ」


 ここは暖かい場所。

あたたかなばしょ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ