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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年一月
363/823

1/22 放課後の調理室

月刊、うろNOW!

1月22日 彼女のターニングポイントとリンク。

 澤鐘さんが器用にジェルという科学を活用したスイーツを作り上げていく。

 面白い工程だと思う。


 彼女はパティシエよりも自らが憧れたライターを目指すかのように記者としての道を選びつつ、料理に対する心も失わずにいるのだろう。


 ただ、僕にはわからない。

 わかっているのは料理は趣味に収めるべきものということ。

 これは料理をはじめた当初からほぼ変わらない。

 料理は好きだし、凝った作業も新しい工夫も好きだ。

 それでも。多分、進むとしたならば 料理とはあまり関係のない、もしくは関連の薄い職業を選ぶ。

 一時、手をかけようかと思ったことがないわけじゃない。

 本当に笑顔を見たくて作った料理。

 ただ、綺麗に作りたいだけじゃなくて、その笑顔を見たくて彼女の笑顔だけが見たくて作った料理。

 彼女が食べる分以外はあくまで習作だから、やっぱりプロにはなれないんだけど。

 一番、料理に真摯に向かい合ったのはあの時だと思う。



 一つ言うならば、『子供だから』とは思わない。

 そこに入れれる言葉は『趣味だから』であり、その道を歩くことは冗談の会話以外で本気で考慮したことはない。

 だけど、他人(ひと)からの指摘は痛いなぁ。





 思考が沈む。


 僕はまだ進みたくない。


 見据えるべき未来さきなんか見たいと思えない。

 今まで見えていた未来さきが揺らいだ今年の夏。

 増えた知り得た情報は先を変えるのに役立つものはない。



 それでも。


 変われるかと思った。



 彼女がいれば。彼女となら。


 笑顔を見せてくれるだけでもいい。



 見てるだけでもいいから。



 でも、かわらない。変われない。













 すべてを置き去りに変わらぬまま流れていく。


 どうせ何も変わらない。



 じゃあ。










 やめよう。




 きっと、それがいい。


 一口食べた不思議なスイーツ。

 甘いはずのソレ。


「……あれ? 甘いはずなのに、なんだかしょっぱいや」

 

 感じない味。


 ただ心が冷える。




 何も感じなくなればいい。



澤鐘さんお借りいたしました。

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