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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年一月
345/823

1/1 初詣提案


 面白いなと思う。

 生まれた日から日本へとこの子達が移動するまでこの子達が得れる情報を選んで、その影響を観察していた。

 それを踏まえての離れてからの変化・成長が面白い。

 最初に愛情をかけて、疑われないように育てる。善悪の基準を判別する時に俺の感情を考慮に入れることを普通に感じるように。


 基本的に与えられる情報の多くは、知識的なモノ。

 両親が与える接触は感情的なものも含むが少ない接触は俺の管理可能範囲。


 そして、家の中にいる他の者の動きも幾分かは管理可能。

 そう、指示すればいいのだから。

 育児は楽しかった。


『恋』は厄介だ。

 思わぬ反応を引き起こし、本能に刷り込むように与えた習性を破ることもあるから。

 予定では二人ともうまく立ち回ることなど出来ない。


 こちらに来てからの他から受ける性質への干渉が見られはするがそれほど大きくはない。


 どこでどのような影響、事象があったのか、割り出す必要はありそうだ。

 目の前で少女の動きを追う眼差しには慕う色と怯えの混じる困惑色。

 一歩踏み出したくて、それの影響を考えて動けない状態かなと思う。

 行動の影響を考えるようになった時、シーはどれだけの『否定・拒否』を受けたのかと思うとかわいそうだ。

 それをわかるようになったのだろうか?

 誰か他に罪科を求めるようになったのだろうか?


 なにかこそこそとテスが鎮を見ながら一緒にいる少女に何か相談を持ちかけている。


 初詣、ね。


「シー。ウルとその『初詣』というものに行ってきたんだけどね。作法を聞いても『適当でいいんじゃないか』って答えるんだよ。知りたかったんだけどね」


「てきとうって、ウルって潤さん?」

 困ったような苦笑で鎮が聞いてくる。

「ああ。カザミネ・ウルウ。昔一度会ってるだろう?」

 不思議な沈黙。

「え? 俺覚えてねぇ」


「小さかったからね。だから、一緒に行きませんか? ミス空」



『え?!』



 鎮やテス、その他誰かが声をあげた。

「ただ、今日は少し疲れてしまったし、よければ明日にでも時間をとってもらえると嬉しいのだけど? 初詣と言えるのは一時だけなんだよね?」

 そう告げると鎮が軽く天井を見上げる。

「あー、三が日くらいまでか?」

 さんがにち?


青空汐ちゃん、空ちゃんお借りしました。

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