12/20 入試
教室をひとつ使い、受験生を案内する。
最年長は六十近いじーさん。
最年少でも十六歳となっている。
葦原、有坂、泉、金居、瀬尾、広前、本宮、吉川。
十人には今ひとつ届かなかったが、編入組と合わせると十人はとりあえず越える。
「先輩、この、風峰仄25歳は?」
「んー。ヒッキーな弟、だな。数合わせになー。そしたらアパート代兄貴出してもらえるし」
「先輩……」
「ろくに貯金ないから切実なんだよ」
「先輩……」
編入組も合わせての女子陣は四名。
多少は華やかだ。
結構重要だったりするからなぁ。
女子の有無。
試験開始10分で最年長のじーさんが……
……
寝た。
なかなか思い切りがいい。
イラついた視線や興味深い視線にも起きることなく時々、「うんみゅ~」「もう食べられなーい」「ぇええ。だめだよぅ。もう。しかたないんだからぁ」などという寝言を漏らしつつ寝ていた。
毎時間そのパターン。
終了の合図と共にすっきり起きてまわりに「わかんなかったー」「むっずかしーねぇ」と言葉を飛ばすじーさん。
最後の科目で「おわったー」とじーさんが万歳したときには数人がその様子に笑っていた。
空気がすでに「しょうがねぇなぁ」になっていた。
やるなじーさん。
「それじゃあ、今月は28日まで事務所は開けてありまーす。合格通知が26日までに届かなかった人は郵便事故なので、入学金もって事務所にきてくださーい」
「先輩、ぶっちゃけすぎです。
新学期は一月の六日、六時からとなります。そこで制服、教科書の配布があります。質問、問題がありましたら連絡先となっているアドレスにメールください。風峰が答えます」
「あ。マジ俺のアドレスじゃねーか!」
葦原君お名前お借りしてます。




