大掃除。
ばたばたと普段使ってないところもはたいて掃いて拭いて磨き上げていく。
病棟部分も旧水族館部分も自宅部分も大掃除である。
隆維はパズルをもてあそびながらソファーでシアちゃんとみあのあという名の戦力外と戯れている。
「らぶきゅーず!」
「だすとくりあーーバイキンはねつしょーどくぅー」
「やられたー」
隆維が棒読みである。
母さんは研究室にバート兄を引きずって行ったし、おじさんはまず自分の工房を掃除してから病棟の掃除に行くって言ってたし、鎮はキラキラした眼差しで水槽から水落として掃除だってはしゃいでたし。
普段なら芹香が子守担当なんだけどな。
芹香はテラス部分の掃除とビーチまでのルートのゴミ拾い担当。
俺、去年はキッチン周りとおむすび作りだったんだけど、戦力減ったからなぁ。
今年はプライベートスペースからのスタートで他のエリアへの掃除コース。
つーか、身内だけでコレ掃除するってふざけてない?
鎮は喜んでやってるけどさ。
掃除合間の軽食はどういう話ができてるのか、青空家の誰か(基本空ねぇ)が届けてくれる。だからキッチン系全部閉鎖して掃除だ。
鎮と芹香に嫌われたくないのか気にならないのか、青空家の女性陣には比較的普通の対応をしているバート兄に一安心。『しーのガールフレンドやテスの友達に礼儀知らずはしないよ』ときたけど。
普段礼儀知らずだって自覚があるのか。
渚ちゃんが貸してくれた窓拭きマシーンは有能だ。
俺は鎮やおじさんほどお掃除スペック高くないからなぁ。めんどいし。
二十九日から大晦日までばっちり掃除三昧だった。
三日間の感想は、空ねぇと鎮、どこまでいってるのかわからないんだよねぇ。
なんとなく、海ねぇにはメールしにくいしなぁ。
はっきりしないなぁ。もどかしいなぁって呟くと隆維が「夏、鎮兄がその心境になってたよ」と言ってきた。
ああ、そうだったのかもなぁ。
青空海ちゃん空ちゃん渚ちゃん、お借りしました。
あけましておめでとうございます。
そして大掃除ネタ




