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クリスマスデート☆イルミネーション

 ゲーセンで抱きごこちのいいぬいぐるみをゲットし、予定の映画を見て、その感想を言いながらぶらりとモール内を歩く。

 ゆっくりと陽の落ちてきた周囲が今度は人工の光でライトアップされて行く。


 きっといろんな技術が投入されているのであろうそのイルミネーションは綺麗としか言い表せない。


「きれい」


 空ねぇの呟きにちらりと空ねぇを見る。

 うっとりと光が描き出す風景()を見つめている。その光を写す瞳や上気した頬が気になる。





 とん




 人の流れが変わったのは一瞬だった。


「空ちゃ……」

 外れた手と視界を阻害する人混み。

 軽く謝りながら、空ねぇの方へ急ぐ。

 かろうじて見失わずに済んでいた。

 なかなか思うように進めず、つい舌打ちしたくなる。

 ゆるいあみこみ、ぬいぐるみを抱えた少女。

「空!」

 ゆるりと少女の頭がこちらを向く。

 俺はこれ以上はぐれないようとりあえず抱き込む。

「ごめん。はぐれるつもりじゃなかったんだ。大丈夫だった?」

 覗き込むと真っ赤だった。

「人の流れが今、すごいから少し外れよう。またはぐれてもなんだしさ」

 ぬいぐるみを預かり、小脇に抱え、もう片方の手で空ねぇの手を握る。

「大丈夫?  空ちゃん」

「え? うん。大丈夫。急に流れが変わってびっくりしたね」

 声がうわずって聞こえて、不安にさせたのかと思うと少し落ち込みそうだった。

「人混みに酔っちゃった?」

 眼差しが揺らいでいるような気がして理由を探す。

「ううん。大丈夫。少しびっくりしただけだよ」

 俺の不安を感じ取ったかのように空ねぇの手が俺を軽く撫でる。

「はぐれてもさ、ちゃんと見つけるから」

「うん」





空ちゃん借りっぱなし中

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