これでもおにーちゃんだし
キラキラを探して〜うろな町散歩〜
12/7 アリバイはきっちりと
の後話になります。
「芹香?」
いつも通りのような少し、無理をしているような様子に首を傾げる。
「鎮兄に覗こうとしてるのがばれたんだよ」
涼維がバラす。
腰に手を当ててバカにしたような表情で見下ろしてくる。
「愚かね!」
手を伸ばす。
「うーん。そうかも? だからさ、慰めて?」
芹香は小さく笑って俺の手を取る。
「仕方ないわねー。仕方ないからそばにいてあげるわ」
偉そうだ。
「はいはい。ありがとう。感謝してるって。お姫様」
茶化しながら抱きしめる。
そういっちゃんが見覚えのあるシールを鈴音達に渡している。
うわぁ。しくった?
「芹香」
「大丈夫だもん。平気だもん」
「うん。芹香が慰めてくれるから痛いの減ってくるかなー」
渚ねぇが少し不審げに眺めてくる。
ああっもう千秋兄のバカ!
露骨に妹に八当りしてんじゃねぇよ!
ただでさえ海ねぇになんかやばいのバレてるっぽいのにさ。
下手なばれ方すると俺まで怒られそうー。いやー。って
「なに? 渚ねぇ」
「隆維」
じっと見つめられる。
「たぶん、八つ当たりかなぁ。わ! 芹香暴れたら驚くだろ!」
千秋兄と海ねぇの空気には渚ねぇだって気がついてたんだし。
持って来られたシールがどこにあったかわかってたポイしね。
ここは適度なネタバレが正解。誤魔化すとこじれる。
「根っこの部分で、苛めっ子気質があるから」
千秋兄は苛めっ子。弱い者いじめ専門だから鎮兄がいたら抑えれるんだよね。海ねぇでも問題ないだろうし。
ただ、そんな部分は出来るだけ見せないようにはしてたけど。
「ちゃんと仕返したから引き分けだわ! 弱い生き物の吠え声なんてたいした事はないのよ!」
芹香。弱い生き物って。
「せーりか。おっきい声出さないの」
みあのあが気がつくよ?
「隆維?」
「千秋兄とやりあったんだと思うよ? 千秋兄、二連戦かぁ」
涼維にもちょっと解説。なるほどと頷いてる涼維はあんまり事を重視していなさげ。
「隆維」
「なにー? 涼維」
「千秋兄と話し合おうなんてしないでね」
釘を刺された。
「フードコーナーから食べるものとってくるね」
にこりと笑って立ち上がる涼維。
見送りつつ首を傾げて、渚ねぇと視線を合わせる。
「反抗されたよ。自立は近い?」
ゆっくりと首が横に振られる。
「違うと思う」
やっぱりですかー。
でも近いうちに話し合い。だよなー。
海ねぇ、渚ちゃんお借りしてます。
裏調整のため行動するのは隆維です。




