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オーダーアクセサリー

キラキラを探して~うろな町散歩~

12/6 おもてなし?

の合間話になります。

 お店のおにーさんに話を聞いた。

 これは兄さんたちにいい贈り物だと思う。

 金額に文句をつけるのは鎮兄くらい。

 いざとなればカードきっちゃえばいいよねー。

「空ねぇ。鎮兄の相手よろしく」

 これで、注文はばれにくいはず。

 説明は結構満足。

 グリフィス兄夫妻にはペアブローチ。色の希望は黒とピンク。

 振られたばっかりのランバート兄には紫と緑。これは単品でペンダント。

 千秋兄にはペアリング。赤とオレンジ。

 あそこに居る鎮兄はピアス。

「使うピアスは片方だけなの。普段はもう片方は千秋兄が持ってるんだけど、かばんにつけたりそういう使い方してるの。今年は別でもいいかなぁって思って。だからね」

 乗り出して聞く体勢のお店のおにーさんに話す前にちらりと鎮兄と空ねぇを見る。

 仲良く喋っててこっちには意識を向けてないみたい。

 よし!

「本来ひとつのセットのものを二人で持ってたら素敵だと思うんだよね」

 おにーさんがにこやかに同意してくれる。

「そうですね」

 私はひとつの絆ぽくて素敵だと思ってるんだよね。

 橙色のおにーさんの瞳をそっと覗き込む。きれいな色だよねー。

「だからね、鎮兄と空ねぇでイメージこれだけお任せしていい? おにーさんセンスよさそうだもん」

 ぱちくりと橙色の瞳をしばたかせるおにーさんに笑いかける。

 だって、上限はウン百万って言ったもの。

 つまりそれだけの技術とセンス、心配り。モノにこめる魂。それが揃っているということ。

 対象を『見てる』のにできない。なんて言うとしたら、それは私の依頼を受けたくないだけだよね?

 そっとカードを取り出す。

「四点オーダーで予算は五十。配分はお任せで。お願い、できますか?」

 軽く動きを止めたおにーさんがカードを確認する。

 きっちりカード名義であるフルネームをサインし、ちらりと鎮兄たちのほうを盗み見る。

 空ねぇをかわいいと愛でるような声をかすかに感じる。

 さっき、オーダーアクセサリーのセールスカードを見つけるきっかけになった声っぽい。

(うん。空ねぇはかわいいよね)


「おにーさん?」

 おにーさんも空ねぇのほうを見つめていた。

 ……ライバル?


「あぁ、すみません」

 にこやかに笑ってくれる。

 

「じゃあ、この二つ、お願いします」

 これも、これがいいって思ったものだしね。

「他のは、別々に包んでください」

 あ。

「オーダー品とは別会計でお願いします。それと、おにーさん、空ねぇにも内緒だからね!」

 おにーさんがにっこりと笑う。

「かしこまりました。僕たちだけの秘密、ですね」

 茶目っ気成分多めの笑顔に私も自然と笑顔になる。

「そう。秘密よ♪」



立神上総氏お借りしてます。

ちらりと空ねぇ、ふわりと存在感でフェリニアルトお借りいたしましたー。


ちなみに日生のうちでは鎮の金銭感覚のほうが少数派。

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