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12/6 放課後 『無限回廊』

「店ん中で暴れんなよ」

「暴れないもーん。おにーちゃんはお使いこなしててー。芹香はお兄ちゃん達のプレゼントも選ばなきゃなんだからねー」

「あんまりファンシーなものはやめておけよー。職場にして行って部下の人達ドン引きとかってないからなー」

「き、去年の魔法少女アニメのピンバッチはむ、むこうで流行ってるって聞いたからだもん」

「四十も越えたおっさんが職場に『妹からの贈り物だ』って得意気に自慢してて部下からのサプライズパーティのプレゼントがその系統ばかりで困るって義兄嫁(ねー)さん言ってたぞ」

 アレはお兄ちゃんとこの長男ゲイルに騙されたんだもん。

「お兄ちゃんはおっさんじゃないもん。それに今回は流行になんか乗らずに私のセンスで贈るから大丈夫だもん」

 今日は鎮兄に良さそうなものも探すんだもんね。


 きょろきょろと店内を見回して、

「おにーちゃんの目的系はあっちのコーナーみたいね。私はまずあっちのコーナーから見に行くわ」

 あっち。とアクセサリーがキラキラと展示されている方を指す。

「おー。財布は俺が持ってりゃいいんだな?」

「うん。落としちゃダメだよ?」

「落とさねーよ。ほら、じっくり選んでこいよ」

「うん。見てくる」

 そっと距離を取る。

 離れて、おにーちゃんが商品に意識を向けたのを確認して息を吐く。

「どーせなら空ねぇと分けてもおかしくないようなものかな」

 上のお兄ちゃんならタイピンかカフス。お仕事をしてるから実用性があるのもいいよねー。タイガーアイかオニキスとかもかっこいいなぁ。

 あ。これがいいかな。

 べるべるには素材コーナーで選ぶっと。

 おにーちゃんは値段も気にするからめんどいんだよねー。

 千秋は気にしないのになー。

 鎮兄は気にするんだよねー。


 あ。このピアスかわいー。

 左右違うデザインのピアスか。かわいーかも。

 お星様とお月様だ。こっちは錠前と鍵。

 他の組み合わせもあるかなー?

 物色物色。

「可愛いのがいいよねぇ。んで、クリスマスぽいの。色候補は赤青緑って感じ…………あ。シルバーとかでシンプルなのもいいかなぁ」

 右見て左見て、ついでに上も見て、周囲には人はいない。

「ん?」

 見上げた先に見えたもの。

「オーダーアクセサリー?」

 ううん。こういうのはおにーちゃんは気にするなー。バレなきゃいいか、な?

 おにーちゃんは最終金額を知るだけで単価には踏み込まない約束だし。

 お店の人かな?

「こんにちは。おにーさん」

 おにーちゃんに見られないようこっそりと。

「オーダーアクセサリーってどういうのですかー?」

 


 しばらくお店のおにーさんとお話ししてから。

「おにーちゃん」

 といや。とかがんでいる背中に飛びつく。

「!?」

 背中から覗き込むとイルカやクロス、可愛らしく加工されキラキラしている原石たち。

「おぉお」

 ゆらりと揺れる。

 ストンと下ろされ視線が合わせられる。

 あ。しくった。

「芹香」

 あっちゃー。はしゃぎすぎた。

「ごめんなさい。キレイだったんだもん」



立神上総さん、ちらり借りいたしました。


日生兄妹金銭感覚にかなりの開きがある模様。

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