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12/1 楽しい暇つぶし

「くっアローカナの分際で生意気な!!」

「誰がアローカナだぁああ」

「ああ? じゃあブロイラーかよっ! しょせん飛べない鳥だろうが!」

「その例えはやめろ!」


「ヒヨコはひよこだろう」


 有坂と些細なことで言い合いになり、アローカナ呼ばわりに怒っていると滑り込んできた思いも掛けない声。

「えっと、なんでプライベートエリアに総督がいて、普通にコーヒー飲んでるの?」

 不審げに聞く千秋に俺と有坂も同意する。

 あ、俺のトースト食ってる。

「秘密結社設立の話し合いのためだな」

 え?

 ジャム追加? 秘密結社?

 あ。混ぜんの?

「ろくに構成員もいない秘密結社かよ」

 吐き捨てる有坂。

 総督の胃の中に入っていく俺の朝飯。

「ふっ。心配することはない。下っ端戦闘員ぐらいいくらでもゲットして見せよう!」

 戦闘員って

『悪の秘密結社?』

 って、バターとんでる。食品持って大きい動きをとるんじゃねぇよ。ふきん布巾。

「借金持ってるとこの債権を買い取ればうまく反抗することもできなくなるしな。そうすればいいなりにするのは容易いということだ!」

 むちゃくちゃ手段が具体的で外道ちっくだ。

 あ。

 俺の温野菜。総督、塩かけすぎ。え? 醤油もかけんの? ダメだって。醤油キープ。

「容易いって無理強いかよ!?」

 調味料を総督が座った場所から遠ざける。

 塩分の過剰摂取反対。

「勧誘方法はともかく、事業としてはイベントスタッフの養成、派遣業かな。来年度やその次と継続していく水着コンスタッフの充実とかね」

 ふらっとおじさんが現れてご飯をお茶碗によそってくれた。

 俺の朝飯ー。

「そこに町の清掃活動や見守り活動も含まれるな」

 冷蔵庫から卵を持ってきたらご飯と卵を総督にとられた。

 「朝は和食が良い」って俺のトーストもう食い終わったあとじゃん。

 有坂と千秋はもう朝飯終わってるし。

 内容的には

「えーっとイイコト事業?」

 つーか俺の朝飯が食べられていく。

「さぁな。因みに給料の発生は高卒者だが、高校に通っているなら最低賃金はバイト代として支給だ! それ以外は身を粉にして借金返済に当たってもらうしかあるまい!」

 偉そうに言い放つ総督。

「なんで総督がそんな事業に首を突っ込むんだ?」

 有坂が不信感も露わに聞く。

 答えは、あっさりと与えられた。

 焦らす気すらなかったらしい。


「ん? ああ。暇だからな」



 総督の口からさらりと発せられた言葉に頭がついていかない。

 総督、今なんて?



『…………え?』



「だから、暇だからだ」

 言葉が染みこんでくる。

「っざけんなーーーー!!」

 総督の言葉に有坂が吠えた。

 それもだけど

「俺の朝飯準備する片っ端から食われたら俺が食えねーじゃん!」

「ん? 美味かったぞ? あともう一垂らし、醤油をだなぁ」

「ダメ、塩分取り過ぎだって」


「お前らのやり取りが一番気がそがれるわーー!!」

 え? 俺?


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