清水家梅原家結婚式にて①

　結婚式への出席は実は久しぶりだ。

　洋一の結婚式が八年前だから八年ぶりか。

　花嫁さんはやっぱり綺麗だなと思う。

　小梅ちゃんを小梅ちゃんと呼べない。

　そう思うのはさびしい。

　しかし歌とかってーーー。

　まぁひっそりと紛れてみたが暁君たちには見られてたなぁ。苦手だ。上手な人だけ歌えばいいと思う。

　余興が終わったテーブルは微妙に味方がいなかった。

　暁君、先月の飲みのしかえしか。

　見ると小さく笑われたので正解らしい。

　梨沙さんが

「次は宇美の番ね、のぶちゃん♪」

　といきなり言ってきた。

　あれ？　宇美付き合ってる人いるの？

　宇美はクールビューティー系だからとっつきにくいかもしれないけど、いい子だからねぇ。

　って、視線が外されねぇ？

「いったい何の話、ですか？」

　なんか認識がずれて、る？

「……ボーイさん、海江田の奇跡、ロックで持って来て下さい！！」

　わからずにいると宇美がビシッとボーイを呼び止める。ビビッてるから。ボーイさん、びびってるよ！ 宇美ストップ！

「久島さん、あんまり無理しちゃダメだよ」

　ふっと失笑が聞こえた。

「信弘くん、ダメダメ」

　彩夏ちゃんだった。

　にんまり笑って、ちっちっちっと指を振っている。

　いったいナニがっ！？

「あーやちゃんに賛成」

　沙夜香ちゃんまで？！

「信弘さんが悪いですね」

　さらっと暁君は見捨ててくる。

「ノブ君はダメなまんまよね～」

　ああ、太陽先輩までっ！？

「……ダメだと思います」

　陸ちゃん？！

「ダ、メ、だ、な♪」

　あ～海ちゃんに言われる分はなぜかダメージ低いわ。

　それにしてもなぜこんなに流れるように攻撃されるんだ！

「フォローしたのに、何故集中砲火！？　しかも太陽さん達まで！！！」

『「だってダメダメだから」』

　テーブルに、味方はいなかった。