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十二月に向けて

 

「へぇ、空ねぇと買い物に行ったんだー」

 夕食準備時の会話。

 おじさんは何かの仕上げにかかってるらしく篭りっきりに近い。

「んー。妙に時間空いたし、もう時期、十二月だなぁ〜ってさ」


 あークリスマスの買い物ってところかな?


「あとで内容流せよ?」

「わかってる。かぶるのもなんだしなー」

「今年はツリーどうするのかな?」

「飾るに決まってるだろ?」

 色々あったし、どうするのかわからないなと思った俺は一体なんなんだと言いたくなるぐらいあっさり答える鎮。

「サンタのプレゼントはツリーの下に沢山で、そこから自分の名前を書いてあるプレゼントを探すのがいいんだって」

 クリスマスを前にすると気持ちがやっぱり浮つく。



 小中学生、それ以下の利用メンバーは一応、何かあった時、学校や保護者へ連絡できるように個人特定されて写真付き名簿がファイリングされている。

 名簿の名前分焼いた菓子を袋詰めするという内職作業。

 旧水族館(ウチ)恒例のクリスマス会みたいなものだ。

「サンタっていないんでしょ?」

 と小学校三年、芹香と同じ年頃に言ってしまった隆維と涼維も小四からサンタ出張工場の内職要員だ。

 芹香は明言してないけどもうサンタを信じてないのかなぁ?

 だいたい二七日までそのままにして取りに来なかったお菓子は普段おやつになる。

 ただ、ツリーの下に置かれるプレゼントは他にもある。

 十二月になると出されるボード。


『サンタさんへのお手紙コーナー』


 コレを確認するのは老人会のじーちゃんばーちゃんたち。

 運が良ければ望みの物ゲットだ。

 ルールとしては具体的なものは書いてはいけない。老人の善意だし。


『お友達とプレゼント交換してみよう』

 コレは条件(金額制限あり・食べ物はNG)を守ったプレゼントを預けて当日の引換券をもらう仕組み。交換はランダム。


『誰かのサンタになろう』

 名前を書いたプレゼントをツリーの下に置くだけ。

 危険物と食品は控えましょう。


 あんまり目立たないが十二月も何気に忙しい。主に内職で。




「ショッピングモールかぁー、今度見に行っとくかなー」

 なじみのおちびさん用にいくつか見繕いたいし、やっぱ陸ねぇ達の分もいるよなー。

 料理部のみんなの分に天音ちゃん達の分、公志郎君はこっち来るのかなぁ?

 忙しいけど楽しいよなー。

「フードコートのジェラートはやっぱりうまかったぞ。秋冬限定スノープリンセスとミックスベリーはオススメ」

「スノープリンセスって注文すんのはずくね?」

「平気。りんごのジェラートでさ、さっぱりした感じ。ミックスベリーは定番安定の甘酸っぱさだった」

「楽しそうだなー」

「キョロキョロしてた空ねぇの後ろに回ってジェラートを差し出した時の表情を思い出してさー」

「またベタな真似を……」

 あれ?

 それは買い物に行ったというより、

「怒られたー」

 機嫌良く言う鎮。

 だからさ、それってさぁ。



 うっざっ


「放課後デートってまじリア充ってうっざっ」


「え? デートじゃなくて買い物付き合ってもらっただけだぜ」


「はいはい」

 うー、もううざい。


 海ねぇ、知ってんのかなぁ?


 メールしとこ。

「だーかーらー」

 まだ、鎮がなんか言ってる。

「傍から見たら十二分にデートだよ! で、今年はどのくらいサンタ業やる?」

「果菜ちゃん、美果ちゃん、萌ちゃん、奏ちゃん、レイちゃん、はやとくん、かわいいと評判なくるみちゃん、みるくちゃんも町に来たとこだし一応作っとく。えぇっと、あとは~」

 いつもながらさっくりと切り替えて答えはじめる。

「うん。もうきかねーよロリガラス」

 留まること流れていくうろなのロリ系少女達の名前。一部男子。

 ちょっとあきれる。

「誰がロリガラスだ! こら、千秋聞けっつーの!」


 たわごとはきかねぇ。


「せっかく知り合ったし、雪姫ちゃんの分も作るつもり。リズちゃんの分もかなー。せっかくのクリスマスだしさー楽しみー」

 毎年思うがどこまで裏方準備にかけてるんだか。



 旧水族館のプレゼントルール。

 最重要項目は贈り主は『記名しない』『名乗らない』だから。




 ま、クリスマスのサンタからの贈り物だしね。



 この日、旧水族館ウチは入場無料。

 特にイベントらしいイベントはないけれど、ツリー側には常に誰かいるようになっている。

 去年は信弘さんが朝からサンタやってくれてたなー。

「当日さー」

「あんだよ?」

 ロリガラス呼ばわりを怒ってるんだというポーズで答える鎮。

「空ねぇ、デートに誘ってみたら?」

「え? 予定、入ってんじゃね? クリスマスだぜ? それに旧水族館ウチのこともあるしさ」

「大丈夫だって。ウチは天音ちゃん通じて総督にも手伝ってもらえそうだし。空ねぇの方は聞いてみないとわかんないだろー。海ねぇも渚ちゃんもクリスマス予定はまだ立ってなさそうだったしさ。誘っちゃえば?」



 夏、散々けしかけられたんだし、このぐらいイイよな。









 ま、それはさておき

















 サツキさんへのプレゼント、何がいいかなぁ。


果菜ちゃん、美果ちゃん、萌ちゃん、

レイちゃん、

くるみちゃん、みるくちゃん、

雪姫ちゃん、リズちゃん、

陸さん、海ちゃん、空ちゃん、渚ちゃん、

奏ちゃん、サツキさん 

話題でお借りしました。


見事に女の子ばっかり・・・

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