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11/18 二人の距離感

 十一月十八日月曜日。

 天気はいい。部屋は普段の自分達の部屋じゃなく、鎮兄達の旧水族館の居住エリアにある俺達用の部屋。同じように病院側にも鎮兄達用の部屋はある。

 そしてこの部屋にはひとり、

「ばか?」

がいた。

「うっせ」

 悪態をつきつつ、けだるげに布団をかぶりなおす隆維。

 時間は朝。俺は制服で、隆維はパジャマのまま。

 バカである。ちゃんと俺は忠告したんだ。

「だから早く寝なって言ったのに」

「あとちょっとだったんだよっ」

「だからって」

 ちらりと机に置かれたボードに視線を送る。

 外でうろついたり発散する体力が隆維には現状ない。

 時間をもてあました隆維がハマッたのは水着コンの参加賞のキット(余ってた奴)をまともに作ったり、紙や、布に貼り付けたりして遊ぶこと。まぁ、一応、秋のげいじつ活動?

「あーっ。さわんなよぉ。まだ固定してねぇんだから」

 熱が出てるから登校はできないとして、これ、このままじゃあ絶対触るよなぁ。

「えい!」

 さらさらと触って大まかなパーツ種類ごとでまとめておく。

「ぁああああー」

 ショックを受けた声はちょっとかわいそうかなと思わなくもないけど、やり始めたらハマルのもわかってるし、学校行ってる間は監視もできないし。

「俺が帰ってくるまで触っちゃダメだからね。って、この辺のパーツどっから拾ってきたのさ」

 セットのパーツにもなかったし、別売りのパーツでもなさそうなものも混ざっている。

「父さんの工房。端材なら言ったらくれるし」

「それで休み明け熱出して寝込むってダメじゃん」

「うっ涼維がいじめる」

「いじめてなーい」

 って、うわ。やばっ。

「いってくるね! ちゃんと大人しく寝てるんだよ!」

「……いってらっしゃい」

「うん。早く帰ってくるからっ」

 行きかけて、一回戻って軽く布団をはぐ。

「ほんとにちゃんと寝ててね。心配だから」


「……うん。……いってらっしゃい。遅刻するぜ?」

「うん。いってきます! さびしいからって泣いちゃダメだからね」


「ばーか」


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