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クエスト! セイレーンをデートへ誘え!?  待ち合わせ移動回

電車移動中

 海浜公園駅そばのベーカリー・シャーロック。

「蓮華さん、おっはー」

「おはよ。また家出中か?」

「ひっでー、朝ココに来たら家出中かよー」

 蓮華さんはくくっと笑う。

「悪い。悪い。朝から来るのは珍しいから」

「あー。うん。今日は空ねぇとデート。あ、これと、これね」

 二つほどメニューから選んで頼む。

「へぇー。デートねぇ」

「そそ。デートだよ」

 面白げに冷やかしてくるのを流してテラス席へ避難する。朝の冷気は引いてはいるけれどまだ少し肌涼しい。

 ひとつ目のパンを食べ終わる頃に空ねえが近づいてきた。

 待ち合わせ時間にはまだ余裕がある。


 ふんわりした軽い印象を与える装いを好む空ねぇは今日もフェミニン。

 花柄のシフォンワンピにハイブーツ。

 こっちに気がついて手を上げたときにきらりとイヤリングがきらめく。

「おはよー。今日もフェミニンー。朝ごはん食べてきた?」

 頷くのを見てもう一つのパンを口に入れる。


「おはよう鎮君。急がないでいいからね」


 やわらかな微笑と共に繰り出されるのは挨拶と気遣いの言葉。

 空いている席に座って待っていてくれる。

「サンキュ。曇ってるけど雨は大丈夫そうで良かったかな。で、せっかくだからうろな高原まで紅葉見にいかねぇ? ここんとこ雨とか降ってないからかわいいカッコでも大丈夫だと思うし」

 最後の一口を放り込む。

 褒められて照れる空ねぇはかわいいと思う。


「じゃあ、今日のデート、楽しもうね。……空ちゃん」


 だってデート相手に『ねぇ』はおかしいよね。


 返却スペースにトレーを返して手を差し出す。


「行こうか?」


 とりあえず、紅葉を見に行くで、大丈夫かな?

「それとも、モールで映画でも見る?」

 空ねぇが軽く頭を振る。

 さらさらと黒い髪が揺れてきれいだ。

「ううん。紅葉、見に行きましょう」


 フリーパスを購入し、うろな本線でうろな高原駅まで。


 土曜の微妙な時間、それほど空きもないけれど、混んでもいない車中で小声で駄弁る。

 最初は座っていたけれど、うろな駅に着くころには二人ともドアそばに立っていた。

「あんまり冷えないといいけどなぁ。そのストールじゃ寒くない?」

「ストールに近いけど、スヌードって言うんだよ」

 空ねぇがくすくす笑いながら教えてくれる。

「うう。どう違うのかがよくわからねぇ」



 他は近況のコト、隆維の体調とかを心配されたので一応、落ち着いてるけど、理由とかが全然わからないから不安には変わりないという話題。

 十月の末までは『ぱてぃ』が<ブルー・スカイ>に泊まっていた関係もあってお互いに半端な状況情報だけが彷徨っていた。

「まぁ、一応落ち着いた感じかなぁ」

 おじさんが基本、育児関連放棄する気ばっちりなのを除けば。

「いっぱい心配かけちゃってごめんね」

 覗き込めば優しく笑ってくれる。

「気にしないで。大丈夫ならよかったの」


 一応、いつもどおりでいいよね。と思うと少し気が楽になった。




ベーカリーシャーロックの蓮華さんお借りしましたー

空ちゃんは強制使用中ですー。


おかしなところ修正ポイントがありましたらご指摘くださいー

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