クエスト! セイレーンをデートへ誘え!? 当日の朝
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「おはよー千秋」
「おはよ。鎮」
早朝の挨拶を交わしつつ、首をかしげる。
「出かけるには早くね?」
「ん? 朝のランニング」
ふと思いついたようにこっちを見て笑う鎮。
「パンダネに刻みチョコ放り込んだから焼いといてー」
「んー。いってらっしゃい」
送り出し、厨房に戻ると、かなり大雑把にぶちかけられてて切れるかと思った。
「チョコパンー」
「マーブル? ごろごろ?」
「オレンジジャムも混ぜて?」
ミア、ノア、芹香。
「おかし?」
ミラちゃん。
「においキツイ。朝イラね」
「え。だめだって、隆維! 待ってったら」
「朝は食べないとダメだろーが」
帰ってきた鎮が隆維を止める。
不満そうに視線をそらす隆維を引いて少し離れた場所に座らせる。
「涼維、フードコートからさっぱり系、貰ってこい」
「うん。オレンジとりんごどっちがいい?」
「クランベリー」
少し不機嫌にわがままをぬかす隆維。
鎮は笑いながらミアがもってきたミルクを受け取っている。
「おにーちゃん、わがままー」
「だだっこー」
ミアとノアが楽しげに隆維をからかう。
ミラちゃんは取りに行った涼維についていった。
「うっせ」
あまり調子が戻ってないのかけだるげに椅子に崩れる隆維。
「熱は出てないけど、ぶり返しくるかもしれないんだから、おとなしくしてろよ?」
鎮が言い聞かす。
「食欲ない? おかゆかうどんでも作る?」
俺も便乗して聞いてみる。
「そこまでの病人じゃねーよ」
不満そうな隆維の言葉に
『病人だろ』
鎮と俺の言葉がハモった。
「ところで、鎮は飲み物だけだけど?」
「んー。空ねえと待ち合わせのシャーロックのテラスで食うからいい」
「ふぅん。でも、せめてもう少し髪、梳かしなよ」
「いーの。今お前と長さかなり近いから、遠目じゃなくても間違うやつが多いんだよ」
まぁ、確かに衣替えの時期は菊花ちゃんたちでも間違うことが多発するモンなぁ。
青空空ちゃん ベーカリーシャーロック話題にお借りしております。




