11/14 靴屋にて
そっと視線をそらす。
じっと見られている。
動じたら負けだ。
「早川?」
プリンはかろうじて皿の上にのったが端が崩れ綺麗な山形からは程遠い。
「交換、する?」
綺麗に皿の上で踊るプリンを見せつけられる。
「あ、味は変わんねーよっ」
捨て台詞と共に掻き込む。
甘くてとろけてうまい。
「もう一個あるけど?」
「今度は負けねぇ!」
宗の手からプリンをかっぱらって皿にむかう。
「おう。ノワールの新規靴基本は出来たぞ。足をよこせ」
「あ。行きます」
呼ばれて嬉々として行く宗。
靴の機能についての意見の交換に余念はない。
「まぁ、いい案だったよ。小梅ちゃんがはくための靴、な。足に負担をあまりかけない、脱ぎ履きが楽にできてすっぽ抜けたりすることがないできるだけ安全性に気を配った靴」
「機能性も重要ですけどファッション性もあったほうがいいですよね」
どうやら旧姓梅原先生に妊娠祝いと言って贈った靴の提案は宗だったらしい。悩んでたもんな。父さん。
「ふふふ。我らが小梅ちゃんに手ぇ出して大人しく済ませられるわけがない。祝福はする。しかーしすんなりとはいかせない。小梅ちゃん親衛隊みたいなもんさ。頑張り屋さんだからなぁ。小梅ちゃんは」
しみじみ語る父さん。
「人気者ですね」
「まぁ、ぽっと出でかっさらわれていい気はしないね」
「あんまりなことはしないようにね」
ぁ。母さんの声。
「僕ができるのはイベントを盛り上げるだけですよ?」
どんなイベントになるんだよっ!?
話題で小梅先生清水先生お借りしました




