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11/5 昼休み2

「しっみずせんせー」

 メグに案内されて隆維がこっちに来る。

「走ったり、急いだりしちゃダメだよ隆維」

「大丈夫だって、涼維は心配し過ぎー」

 へろりと笑うけど、朝より少し顔色が悪い。

「お! 出てきたか」

 清水先生が笑って隆維を迎える。


「決闘。録画で見ましたー」


 機嫌良く言ってるが、実は三日に分けて見ている。

「ん。そうか」

 結婚がうまく認められ、バタバタと準備の忙しい(主に女の人側が忙しくなるんだよね)今、人外マゾ清水氏は浮き足立ってると言える。

 あの録画、直接見ていた鎮兄が体調が落ち着いてからじゃなければ、隆維に見せるなというわけである。

 刺激が強過ぎて、体調の悪い時に見るもんじゃない。

 

 事実三回分けになったし。ちょっとうなされてたし。

「勝利、そして受け入れおめでとーございます」

 照れてニヤつく清水先生。

 まさに幸せの絶頂。

 あれ?

 頂上ってことは後は下るだけ?

 そんなことを考えながら様子を見守る。

 確かに試合に関する盛り上がりはそろそろ下火。すでに挙式の話題がメインだ。(特に女子)あと試験とクリスマスに正月のお年玉。気が早いとはいえ、直接関係のあることが冬には多すぎる。

 ギリ旬のうちに祝いを言えて隆維もホッとしているようだった。

「ありがとうな」

 祝福に言葉を返す清水先生(人外)。

 それとも清水先生(化)?

 まぁ、マゾ清水でいいかな。


「俺も天音のおとーさんに付き合いは認めんとか言われたし、がんばんないとなー」

 え?

 いつの間にそんな話してたの?

「そうか、きっとわかってくれるさ。先は長いんだ。頑張れよ。だが、まず体調を戻さないとな」

 えー。ホテルで夜中にコンビニアイスが食べたいとか言って買いに行ってくれたおじさんが天音ちゃんのおとーさんじゃなかったっけ?

『仕事だ』って言いつつ、かなり良くしてもらってたんじゃあ?

「はーい。お祝いでした〜」


 あー。


「メグ、隆維、保健室連れてって来る」

「大丈夫なのか」

「基本はねー」


 清水先生も少し不審げに隆維の様子を見ている。

 幸せボケしてても気付けるのは凄い?


 そんなことを考えながら背後から隆維をはたく。

 瞬間、反応が止まる。

「痛かった?」

 普通「よう!」って言いながら叩く程度の強さだ。

 普通はそんなことを聞くような叩き方でもない。

「涼維?」

 困惑してる表情の隆維。

「気持ち悪くなってるんじゃない?」

 手を握ると少し熱い。

「なん、……で……?」

「熱出てきてるから保健室行こうね。お薬ちゃんと飲んだ?」


「だってマズイ」

 おい!

「ダメだろ」

「ダメじゃないか」

 メグと清水先生がダメ出し。

 本当にそれはダメだ。


「隆維が悪いのー。お薬は飲まなくっちゃダメ」

 ぼろぼろ泣き出した隆維を引いて保健室に向かう。

 これっていつもと逆かなと思う。

 チャイムが鳴りそうだったからメグには先に教室に戻ってもらって、清水先生と保健室へ向かった。


豊栄巡くん

清水先生(渉)

お借りしております

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