10/28 甘い玉子焼き
「飛鳥ちゃん、付き合おっかー?」
「ちーちゃん、なに言ってんの?」
「だからこの町にいる間、付き合わないかって思って」
ちーちゃんのいきなり発言。
早朝いきなり訪ねてきたから部屋にあげた。留守番してると言うから、予定通り勤め先近くの駅のコインロッカーまで荷物を入れに行く。
朝のジョギングと道の確認ついでの作業。
帰ったら朝ごはんが準備されている予感がして自然と笑顔になる。楽しみ。
まさか、対価にこんなジョークを聞かされるとは!
何か面白い返しをしないと……。
あ。
「…………しーちゃんとの禁断の愛を隠すために私を利用するってゆーんやな。しゃあないなぁ。しーちゃんとちーちゃんのムツゴトねたで受け入れたるわー」
よし!
これだ!!
「え?」
「やっぱ、ちーちゃんが攻めだよねー。ベッドに押し倒してよくわかってないしーちゃんに言葉責めでぇ半泣きにさせてからぁぎゅーっと締め上げるように甘やかしなだめて反抗心を奪って好き放題。ぁあ。ちーちゃんってば鬼畜やわぁ」
わぁ。想像すると面白いかもしれない。
しかもありそう。
「それで、しーちゃんのどういうとこが一番そそるん?!」
「ない! ないから!!」
必死に否定するちーちゃん。
「ややわぁ。冗談やん。ちーちゃんの方が受けだもんね。うん。わかっとるわかっとるよー」
「それもない」
「ところで、この玉子焼き甘くて気持ち悪いんやけど?」
「あー。ゴメンね」




