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10/27 ドラマぽい

 やーん。

 すっごいドラマチックだー。

 ドラマっぽいー。


 車からおりてきた人を見て瞬間的に固まる少年。

 振り返る男性はそれを見て手を広げる。

 抱きついた少年を愛おしげに抱き宥める外国人。

 周囲を確認した彼は、少年を今おりたばかりの車へと促す。少年は逃すまいとばかりに彼にすがって彼を確認している。


 彼の促しに素直に車に乗る少年。

 そして、走り去る車。



「ドラマみたいー」

「あれって誘拐?」


 少年・涼維くんとここまで一緒にきたのであろうしずちゃんを見るといきなりな状況にオロオロしている千鶴ちゃんをなだめていた。


「しずちゃんー?」

 知ってる人だったのかなぁ?

 そうだよね。でないとありえないでしょ。

「しーちゃん」

 状況を問いかけるように見かけたことのない少女がしずちゃんに呼びかけてる。

「鎮さん」

 オロオロと動揺の抜け切らない声でしずちゃんに迫る千鶴ちゃん。


「知らない人だったよ」


 このぐらいの追求で後ずさるなんてしずちゃんかわいー。


 見知らぬ少女と視線が合う。同じくらいかなぁ?


「パパ」

 さっきまでジッと黙っていた天音ちゃんが最初に車からおりてきた黒髪のおじさんにそう呼びかけた。

 そう言えばいた。

 彼は黙って吸っていたタバコを携帯灰皿に放り込む。


「連絡は回すから心配はないよ」

 そう言って軽くしずちゃんに頭を下げる。

「あ。昨夜の……って、え?」

 どうやら情報を処理しきれていないしずちゃん。


 こっちのおじさんとは知り合いらしい。

 誘拐をするんならバレないようにやると断言する父親にホッとした表情をむける天音ちゃん。

「さすが、そういっちゃんのパパだ」

 そんな様子にぼそっとこぼすしずちゃん。


「そういっちゃん……ちーちゃんがマイペースな子だって言ってた子かな?」


 !?


「ちーちゃんって千秋?」

 肩に少しかかるくらいの黒髪を軽く揺らして彼女は頷いた。

「あすかっていうの。はじめまして」

「あ。ミホはミホね! よろしくぅ」

 お互いになにか含みのありそうな笑顔で挨拶。

「ミホさん。ええ。よろしくお願いします」

 えー。やだなー。千秋としずちゃんとどういう関係なんだろう?

「えー。やだなー。硬いよー。同じくらいだしミホって呼んでよー。ミホもあすかって呼ぶしー」

「よろしくミホ」

 ニコリとあすかは笑ってくれる。ミホも笑顔をかえす。

「あすか。こちらこそだよー」



 あれ?

 しずちゃん、なんか距離とってない?





 職場での話題の一環として「町のアイドル」のイベントを覗きに来たらしい。

 ぁ〜。小梅先生はアイドルだもんね。

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