10/26 ホテルの一室
「ねぇねぇ」
「書類、処理が進んでませんね」
ホテルの部屋。実質缶詰部屋で書類に飽きた男はいつものように秘書に絡む。
「あした中学校でね、面白いことがあるらしいんだよ?」
「日曜ですよ?」
「そうなんだけどねー。確かな筋から聞いたネタだよ。侍の戦いが見られるかもしれないんだよ?!」
「はぁ」
秘書の気のない返事に立ち上がりエキサイト。その際にちらみできた舌打ちはスルー。
「もしかしたら天狗とかも見れるかもしれないじゃないか! ジャージに唐草マントの天狗!」
「はぁ……」
「ところで唐草模様って泥棒がもってる包みの柄だっけ?」
「ネタが古いですね」
秘書の突っ込みにもうじき四十だしね、とごにょつきつつ、続ける。
「ついでに小梅ちゃんって言う名前の座敷わらしを巡っての鬼とロリマゾの攻防らしいんだ!」
「なんですかそれはっ!?」
秘書の驚愕を得た彼は得意げに指を振る。
「しかも座敷わらしちゃんの友達の白き妖精の出現確率が高いらしいんだ。これはゼヒ見てみたい!! ファンタスティック日本!」
「妙に具体的ですよね」
「情報は正確なのがいいと思うよ」
「はぁ」
「ところでね、」
「はい」
「妖怪と陰陽師ってたしか、倒すものと倒されるものの関係だよね?」
「そうだと思いますね。まぁ、使役するものとして下す。という思想も好まれますね。サブカルチャー情報ですけど」
「陰陽スパイの子も現場にはいるかもしれないんだ! 行かせてくれっ」
「おんみょーすぱい」
「魅惑だろう?!」
「仕事、詰まってますよ?」
「飽きたんだ。煮詰まってるんだー。日本ファンタジーを探しに行くんだー」
「ところでね、まじめな話」
「なんでしょうか?」
「一緒に見に行かないかい? 現地解散でオフにしていいから」
「野放しにしろ、と?」
「野放し。……ちょっと新鮮な響きだねぇ。仕事は片付けるし、警備も受け入れるから、君はお子さん達との時間を作ったほうがいいと真剣に思うよ」
パサリと書類が追加される。
「公私混同はしませんよ」
天狗仮面サマ
清水先生夫妻
梅原勝也さん
雪姫ちゃん
芦屋さん
話題としてお借りしましたー。




