8/19 早朝
目の前のドアが開く。
小柄な女性がきょろきょろと周囲を見回している。
あれー?
なんでここにいんのー?
そーっとそーっと。
あ。振り返られた。
「おっはよーございまーす。ちょーかんでーす。清水さーん」
瞬間、戸惑いが見えたが瞬間だった。
「ごくろう。家には帰ったのか?」
おお。否定しねぇ。
なるほろ。なるほろ。
つか、やっぱ家出ネタはばれてるんだ。
「まだ外泊中っす」
「あまり問題を起こすなよ」
笑顔がいいなー。
「問題がないわけじゃなかったり」
睨まれた。そんなに照れなくてもいいのに。
「司さん。どうしたんです? しんぶ、ん」
「おはよーございまーす。清水さん、スポーツ紙もいかがっすかー?」
清水先生の方が反応大だね。
「やはり奥さんが決定権っすかー?」
こういうシーンって笑顔になるよなー。
「昼から中学にいるから」
梅原先生ため息ついたー。
「はーい。あー。木下先生もいてくれると助かるのかなー。ちょっとおじさんが海外に出てて担当者がちょっとねー。あ。おめでとーございまーす」
そろそろ配達に戻んないと遅配になるトコだぜ。
あの新聞休止はどっちかの実家に挨拶かなー。
ぉ。W清水先生?
それともしばらくは旧姓でいくのかなー。
小梅センセーって呼べなくなるのはさびしーしなぁ。
一応本人連れて行くかー。
んーー。
あんまり、迷惑かけないほうがいいよなー。
気をつけよ。
それにしても司さん、かー。ラブラブだなー。
小梅センセーはなんて呼んでるんだろー?
下の名前?
カップルっていいよなー。
「遅いぞー」
ダメ大人・潤さん。
「ダメだなー」
「んー? 自分の至らなさに気が付いたかー?」
「あれ?」
自転車の前かごが空。あと少しだったけど。
「ああ。今日はもういいよ。終わらせたから。チャリ返してかえろーぜ。あっさめしー」
「潤さんは桐子さんとラブラブ未満?」
俺、やっぱあてにならないのかな。
「失敬な。ちゃんとラブラブだ」
わしわしと頭を撫でられる。
「えー。自分の小遣いは稼ぐって程度のヒモじゃん。かいしょーなしー」
なんか少し寂しい。
清水先生梅原先生お借りしマシター。




