8/20 ショータイム再び①
週末のばたばたを終え、気持ちに少し余裕の出た8/20。
ノワールにカラスマントと久々にコスプレキャラがダブルでARIKAに揃っていた。
あやしい行動を取り始めるノワール。
その目的はーーー。
「え? ノワールくんどうしたの?」
「とりあえず、こちらへ」
「ノワール?」
ARIKAから外へと疑問を抱きつつも連れ出される青空空。
いつの間に用意されたのかある程度のスペースが取られ、天幕のようなものまで用意されている。
ノワールの手により、天幕へと案内される空。
微かにコンテストを思い出さなくもないが、そんなイベントは聞いていない。
それにさっきはカラスマントだって不思議そうだった。
「ほぅ。この娘がセイレーンの魂を持つ歌姫か」
天幕の奥から響く通りの良い男の声は始めて聞く声で体がびくりと震える。
「ノ、ノワールくん?」
慌ててノワールの方を見れば、見知らぬ男に対し、膝をつく姿勢のノワール。
混乱する空に男が笑いかける。
「なに。危害を加える気はない。我のためにその声を披露してくれるのならばな」
威圧感すら持つ声を放つ壮年の男。
外見はチャラいチンピラ風だ。
カタギの人には見えにくい。
「セイレーンは返してもらおう!」
出て来たカラスマントが男を指し要求する。
チンピラ風の男は軽く笑って片手を払い、空を天幕へと引き込む。
「一羽程度我が出るまでもなかろう。煩わせるでないぞ」
「はっ。お任せを……総督」
指示に応えるはノワール。
「さぁカラスよ。その実力を見せてみるがいい」
総督と呼ばれた男は天幕内におかれたパイプ椅子にくつろいで座り、完全傍観モード。
「な、どうしてなんだ!? ノワール!」
信じられないとばかりに声を荒げるカラスマント。
ジャケットについた砂を払いながら、立ち上がるノワール。
双方、仮面とゴーグルで表情は見えない。
しかし、カラスマントは大きい動きと、その声から動揺を隠せていない。
「理由?
それこそ答える理由がないな」
腕を組み、静かに答えるノワールはまさにクール系の悪役。
「な、なぜ、あんな男に従うんだ!?」
「総督って呼んでたの聞いてなかったの?」
「共に過ごしてきた友情は偽りだったというのかっ!?」
「いや、違うな」
「ノワール」
言葉を否定され、瞬間的に安堵するカラスマントを叩き落すためにノワールは一歩踏み出す。
「一度たりとも友人であったことなどない。友情など欠片たりとも存在しない。それを正しく認識すべきだ。言ったはずだ。利害の一致。それが共にいる状況を作ったにすぎないことを!」
ゴーグルに隠されていない口元が笑を作る。
「さぁ、勝負といきましょう。暗黒歴史の一幕が開かれるのです」
◇◇◇
「まぁ、不特定多数に目撃記録される黒歴史。完全消去不可だろうな。小林先生。歌姫の衣装の方は?」
「任せてー。びっくりしたー? 今日ビーチに来てた子へのサプライズ日記ネタイベントー」
空は呑気に会話するチンピラ風壮年と果穂のフレンドリーさについていけない。一応果穂先生の後半のセリフは空への説明のようだった。
何とか理解できたのは、何やら騙し討ち的にイベントに出演させられたらしいということだ。
「他に巻き込めそうな出演者はいるかねぇ」
「うーん。総督ったら唐突にきすぎー拓くんが今ビーチを物色中でーす」
メインヒロインとして空ちゃん
サポートスタッフとして小林夫妻お借りしております。
ひっそりと出演者募集してみたりw




