8/13 惰眠
「あれ? 千秋兄、鎮兄と話し合いしなかったの? せっかくミアノアを餌に鎮兄を旧水族館に行かせたのに」
隆維が憮然としている千秋兄に問う。
「だって、あいつ…………寝てる」
はい?
鎮兄って基本昼間寝るの苦手系なのに?
「中二階の畳スペース占領してミアノア、サマンサちゃん侍らせて爆睡中」
うわぁ。
その環境で寝ちゃうってどんだけだよ。
「近づくと二人と一匹に威嚇される」
「部活は?」
「サツキさん来たらメールくる」
ミアノアは起きてるんだ。
鎮兄、大丈夫?
って威嚇されるの?!
「起こせなかったんだ」
「起こさなかったんだよ」
うわっ。
千秋兄なんか負け惜しみっぽい。
◇ ◆ ◇
寝過ごした!!
ぱっとスマホ確認。
ぇ?
14:35???
マジ?
「しずにー」
「おはよー。しずにー」
あ。
妖精がいる。
「おはよー」
あー気持ち悪い。
かわいい妖精がいるのに気持ち悪いとはこれいかにー?
「鎮君。起きたなら飲み物飲んでねー」
紬ちゃんの声。
とーいなぁ。
「うら飲め」
「菊花ちゃん」
…………
「しょっぱい」
「つむちー! 塩多かったってー」
味見という名の実験?
やたら塩っぽい柑橘系?
「みず」
あ。眠い。
「寝るなぁああ」
殴り起こされた。
「菊花ちゃん、ひでぇ」
「こっちだって、ソレこわいんだからね!」
びしりと指を指される。
ソレ?
不愉快げに菊花ちゃんを威嚇する蛇がそこにいる。
ぽんぽんとその頭を軽く叩いておく。
「大丈夫だって馴れてるし」
「しずにー。おみずー」
みあがコップを差し出してくる。
「おー」
色つき水ですねー。
ナニ味だろうねー。
「どおぞー」
今日のみあ・のあは甘えっこモードだなー。
ストローを支えられ、強制介護モードで飲んだ色つき水はマンゴーミルクだった。
菊花ちゃんの眼差しが生ぬるい。
その後軽食。水分補給。
シャワーで気分も新たにARIKAいきv




