8/11 萌ちゃんのお手伝い。
機嫌のいいノワールがいつもより生き生きと仕事をしている。
生ぬるい表情の公志郎くんと天音ちゃん。
コンテスト以来のノワール装備にカラスマントのテンションもおかしい。
何度かねだっているのを見かけたけど、『OK』 もらえてなかったからなぁ。
朝からウチで見かけた気がしたけどその絡みかな?
「いらっしゃーい。萌ちゃん」
ノワールが少女とその連れを歓迎する。
連れの男の子はどこかで見た記憶があるんだけど、誰だっけな?
「良く来たな。うむ。元気そうで何より何より。合田は相変わらず元気そーだなー」
語尾がいきなり軽い。
「鎮先輩もあいかわらずっすね」
「うむ。変わらんぞ」
威張るカラスマント。
なんだろう。褒められてる気はしないけどな。
萌ちゃんも嬉しそうに二人の会話を見てにこにこしている。
「アクセ作り?」
「隆維。いきなりすぎ! こんにちは。アクセ作りなら外のパラソルの下が今すいてるからこっちです。萌先輩」
隆維と涼維がさくっと席に案内し、ノワールがそっとジュースを置く。
「ゆっくりしていってね。萌ちゃん」
「はい。ありがとうですー」
アクセ作りの手伝いは、カラスマントが口頭で説明し、別のキットを使って隆維が実演、解説の補足を涼維がするという不思議なフォーメーションだった。
理由は、カラスマントの器用さが足りなかったと言う事実に尽きる。
ビーズモチーフなら作るのになんでだ?
そして、年下の合田君にじゃれていた。
年下ばかりにじゃれ付いて遊んでもらうのはどうかと思う。
「まざってくるかー?」
海ねぇがニヤニヤと言ってくる。
「ギスギスするのはちょっと、体の弱い子に心配とかかけたくないかな」
せっかく元気になったんだもんね。
「せっかくの黒髪をもったいねーの」
「黒にどんな幻想っすか」
「なにものにも染まることのない黒。美しい色じゃないか」
口調がカラスマントというより鎮モードで合田君に接するカラスマント。
声にほんの少しだけ影がある。
隆維がちらりと背後で見守る形を取っている三人の様子を伺う。
できるだけ、早めに泣かした方がいいんだろうなー。
「千秋兄ー」
芹香の声。
「公にぃー」
鈴音ちゃんだ。
「マゾ清水が木のところで男の人と抱き合ってるー」
「浮気は男のたしなみ? えーっと、男と女は別枠ー?」
「せりか」
「すずねちゃん」
「あ。抱き合ってるって言うより押し倒してるの」
「うん。だから、遊び相手だと思うの。ね。公にぃ」
なんだろう。
とっても妹の発言に泣きたい。
海ねぇ、横でうけすぎ。
「えーっと、格闘技の技の掛け合いっこかもしれないよ?」
「えええー」
公志郎くん、棒読みな上に三人から不評だよ。
「清水先生……」
ネタ過ぎだよ。
舞台はARIKA
萌ちゃん、合田君、鹿島さん、清水先生。
海ねぇに出演いただきました。
千秋はあまり合田君を知らず、鎮の方が妙に馴染みのある感じに仕立ててみましたー。




