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 ベットに寝転がって宇宙を行く軍事物小説にふけっていたら。

「液体の入ったフラスコの中のプレパラートのガラス板。丸フラスコでも三角フラスコでも可」

「は?」

「薙刀。鋼鉄製の柄と刃。折れず切り裂く。柄の装飾は鳥と桔梗」

「は?」

「月球儀。ライトUP機能付」

「だから」

「洗濯機。乾燥機能はどうなんだろう?」

「いきなり何なんだ!!」

 隆維の唐突な物言いに混乱する。


「イメージっつーか印象?」

「なんの?」

「雪姫ねぇちゃんとか芦屋先輩とか」

「まて。」

「うん」

「洗濯機って誰だ?」

 人間の印象に電化製品はどうかと思う。

「海ねぇ」


…………

 ぐるぐる回るイメージか?


「本人に言わないように」

「なんで?」

「いいから」

「ん。わかった」

 しぶしぶ頷く隆維。

「涼維はどう思ってる?」

「は?」

「たとえば雪姫ねぇちゃんのイメージ」

 雪姫さんのイメージねぇ。

 お祭りのときにみて思ったことは『白い』

「白かな」

 森で見ても印象は白い。あと、少し落ち着く感じ。んー。

「癒し」

 ぺとりと背中にあたる手の感触。

「芦屋先輩」


 ぎゅうっと抱き込まれる。


「和だよね。で、痛いぐらい鮮烈」


 だからこわい。


「こわい?」

 きかれて頷く。

「強いもんな。うーん。瞬殺されちゃったしー」


 はぐらかされ感が強い。

「隆維にとっての雪姫さんのイメージって?」

「ん? ああ。フラスコプレパラート」


 おい。


「じゃあ、芦屋先輩は?」

「薙刀」

「月球儀は誰?」

「ん~。コンテストでがんばってた萌ちゃん」

「て、天狗仮面は?」

 好奇心だ好奇心。

「アレは天狗だろ?」

 ナニいってんのって表情で答えられた。

 ちょっとむかつくよね。

「サツキちゃんは?」

「風鈴。金属の棒を組み合わせてあるアレ」




 結局のところ、その物体に対して隆維がどんな感情を向けてるかわからなければそのイメージがいいものか悪いものかもわからない。


 たぶん、いいも悪いもない気がする。




「じゃあ、天音ちゃんは?」




 じっとこっちを見てくる隆維。



「特に感じたことはないな」

 え?

「嫁にこいとか言ってるくせに?」

「うーん。だってそういうイメージってあった人すべてで思い浮かぶものじゃないしなぁ」


「あ。でもさ」

「うん」

「きれいな名前だと思った」


 は?

 名前?

「あまね。最初にその響きから連想したのは『あまねく』すべてにわたって。ってイメージ。広々した感じだろ?」

 頷く。

 声に熱が篭ってるのを感じる。

「字を知って、もっといいなって思った。天の音。天上の音色だよ?」

 声に篭る熱は陶酔?


「魔よけっぽいよな」


 力が抜ける。

 やっぱり隆維が理解できない。



「俺の一番は涼維だよ?」



 ぎゅうっと強く抱きしめられる。 


「どこにもいかない?」


「一緒にいる」




BLではありません


イメージとして雪姫さん、

芦屋梨桜さん、サツキさん。

萌ちゃん

海ねぇ


話題として天狗仮面。

お借りいたしました。

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